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志賀直哉旧居 志賀直哉旧居

志賀直哉旧居

しがなおやきゅうきょ □奈良県奈良市
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オススメ度

錚々たる文化人や、画家が日夜集った「高畑サロン」。

奈良公園の南東端に接し、町の中心部からは少し離れた古くからの邸宅街・高畑エリア。その一角に、白樺派の巨匠と言われる作家・志賀直哉が暮らした家がそのまま残されています。彼が精力的に執筆活動を行った昭和4年からの9年間、家族と共に暮らした住み処でした。生涯で28回も引っ越ししたという中では、9年というのはとても長い期間。でもそれだけ長居をした理由がよく分かる、ここはとても素敵な街角であり、そしてとても素敵な家なのです。
特に壮大な豪邸でもなく豪奢な屋敷でもないのですが、ただ彼自身が設計したというこだわりは随所に感じられる素晴らしい住宅です。周囲の家々がそうであるように、志賀直哉旧居の敷地も漆喰の白壁に囲まれて、静寂な路地が美しく見えます。建物は和洋中折衷の珍しい造りで、当時としては大変ハイカラな邸宅だったのだそう。非常に丁寧に建てられた印象で、中に入るとその印象はより一層深まります。

志賀直哉旧居

奈良公園近くの住宅街に、白樺派の巨匠と言われる作家・志賀直哉が暮らした家がそのまま残されている。

文学的な空気が、今もたゆまず流れている。

まさに昭和初期の小説に出てきそうな雰囲気の室内、ここには文学的な空気が今もたゆまず流れています。あるいは極めて詩的な叙景。大きな天窓から日が差し込む明るいサンルーム、それは彼が家族のために用意したという優しさの部屋。また、そこで「暗夜行路」を書き上げたという書斎は、彼の文体同様、余計なものは一切排除した空間。窓から若草山を借景にした庭が眺められ、それはきっと彼の創作意欲を駆り立てたに違いありません。
そしていわゆる「高畑サロン」と呼ばれた、モダンな食堂兼娯楽室。小林多喜二、谷崎潤一郎、武者小路実篤、小林秀雄などそうそうたる文化人や画家が、日夜集まっては討論や娯楽を楽しんだ場所。あの時交わされた言葉や友情や誤解、燻らせた煙草や珈琲の香りが、今もそこここに染み付いては忘れられぬ素晴らしき日々を語り継いでいるように感じられます。

志賀直哉旧居

若草山を借景にした庭もあり、小林多喜二、谷崎潤一郎、武者小路実篤などの文豪が集ったという。

周辺の街並みはとても静かで、落ち着いた雰囲気。

志賀直哉旧居周辺の街並みはとても静かで、落ち着いた空気に満ちています。散策していると時々鹿とすれ違います。すぐそこには奈良公園の豊かな森があり、長年奈良に住んでいた僕でもここに住みたいと思える、とっておきの場所です。飛火野浅茅ヶ原、鷺池といった自然が手に届くところにあり、春日大社東大寺も近く荘厳な雰囲気も感じられます。早くもなく遅くもなく流れる時間があり、自分の自然なペースで物事を考えたり、何かを作り出したりできそうな、今も昔もこのあたりは何も変わっていないんだろう、そんな素敵な場所に志賀直哉旧居は変わらぬ姿で佇んでいます。

志賀直哉旧居

「高畑サロン」とも呼ばれたこの家で、志賀直哉は名作「暗夜行路」を書き上げたという。

photo.

photo_by_PublicDomain
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アクセスマップ

詳細情報

名称 志賀直哉旧居
所在地 奈良県奈良市高畑大道町1237-2
問い合わせ先 0742-26-6490 | 志賀直哉旧居
休業日 月曜日、12/27~1/4
料金 大人350円、中学生200円、小学生100円
駐車場 周辺有料駐車場
公式サイト http://www.naragakuen.jp/sgnoy/
wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/志賀直哉旧居_(奈良市高畑)
食べログ -
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298198-d1385990-Reviews-Shiga_Naoya_Former_House-Nara_Nara_Prefecture_Kinki.html
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