頭塔
ずとう □奈良県奈良市
日本版ピラミッド、深まる謎は歴史ロマンに包まれて。
日本の古代ピラミッド、そう呼ばれることもある奈良の頭塔。ならまちから高畑町へ向かう道の脇に、普段は錠前が掛けられた門があります。その奥の階段を上ったところ、周囲の住宅街に身を潜めるようにしてあります。実は昔、その道は通学路でもあったのですが、恥ずかしながらそんな史跡がそこにあるとは当時は全く知りませんでした。ただ門の向こうには階段があり、そこから見る限りはただこんもりとした森があるだけでした。
1986年から12年間にわたって発掘調査され、2000年から公開されました。それまでこんもりとした森は、北側半分が整備され、南半分はもとのまま森にされています。
元々は全体が森に覆われていたが、北半分の森が伐採されて2000年から一般公開されるように整備された。
東大寺の僧実忠により奈良時代に造営された。
高さ10m、7段の階段状のピラミッド。
内部にもうひとつ、初期の頭塔が隠れているという。
頭塔はいわゆる細長い塔ではありません。ピラミッドと呼ばれることからも想像できるような、頂部に向かって階段上に層が重ねられた、扁平な四角錐の形をしています。一辺が約32m、高さは約10m。7段の階段状になっています。本体は土で出来ていて、一部の表面は石が積み上げられ、全体の周囲にはたくさんの浮き彫りの石仏が組み込まれています。その形状から、全部で44基の石仏が配置されていると考えられ、そのうち28基が確認されています。1基は郡山城の石垣に転用されているのも有名な逸話。
奈良時代に造られたものと言われていますが、これが何のために造られたのかは未だよく分かっていません。さらに内部にもうひとつ初期の頭塔が隠れているらしいといいますから、歴史ロマンも深まるばかり。
photo_by_TamagoMoffle_CC_BY-SA_2.0_from_flickr.com
全体の周囲にはたくさんの浮き彫りの石仏が組み込まれていて、仏塔としての役割だったと考えられている。
何の変哲もない住宅街に、埋もれているという不思議。
ちなみに通常は施錠されている門ですが、近くの表具店に一声かけると開けてもらえます。北側と西側の公道からも頭塔をちらりと見ることができますが、石仏などを間近で見るためにもぜひ中へ。頭塔全体を見渡せるデッキも設置されています。
それにしても頭塔は、見れば見るほどアステカやマヤのピラミッドとそっくり。ある研究によると、頭塔の建築様式は東南アジアのボロブドゥール遺跡とも類似していると言われ、はるか昔にも世界的な文化の交流があったことはとても興味深いことです。そしてそれが何の変哲もない住宅街に埋もれているということ。奈良の町並みの奥深さをあらためて感じ、野良猫の多い路地を歩いてならまちを目指しました。
以前は東側に宿泊施設があるため目立たなかった。現在は更地になっていて見やすくなっている。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 頭塔 |
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所在地 | 奈良県奈良市高畑町921 |
問い合わせ先 | 0742-26-3171 | 仲村表具店 |
休業日 | - |
料金 | 見学300円 |
駐車場 | 周辺有料駐車場 |
公式サイト | http://www.pref.nara.jp/6709.htm |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/頭塔 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298198-d1385989-Reviews-Zuto-Nara_Nara_Prefecture_Kinki.html |
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