率川神社

静かな境内に祀られた、安産・育児の神様。

奈良市街地の中心部を南北に走るやすらぎの道。また春日大社への表参道から続き、土産物屋や飲食店が並ぶ賑やかな三条通り。その交差点近くにある、ひっそりとした木立に囲まれて鎮座するのが率川神社です。
大神神社の摂社として593年に創建された、奈良市内では最古の神社。神武天皇皇后を祀っています。すなわち主祭神が姫神なので女性の守護神として、古来より安産・育児の神様として信仰を集める神社でもあります。別名、子守明神とも呼ばれています。
奈良市内でももっとも賑わう三条通りに近いのですが、境内は静寂に包まれています。しっとりとした、どこかひんやりと感じられる空気は、訪れるたびに気持ちに安心感を与えてくれます。

意外にも奈良市内では最古の神社。大神神社の摂社として593年に創建された。

奈良市街地を南北に走る「やすらぎの道」に面して鎮座する。

本殿の右側にある「阿波神社」。

人々の長年の祈りや思いが、染み付いている境内。

古くから地元に親しまれている神社で、境内にある建物や狛犬や灯籠には人々の長年の祈りや思いが染み付いているようです。初めて訪れた人でも馴染みの神社に来たような、ちょっとした懐かしさと親近感のある雰囲気が素敵です。
毎年6月には三枝祭が開かれます。今ではもう少なくなってしまいましたが、露店が並び、香ばしい匂いや甘い香りに引かれ、幼少の頃は毎年楽しみにしていた祭りでした。くじ引き(地元ではアテモンと読んでいました)、スマートボール、輪投げ、金魚すくい、綿あめ…。毎回することは同じだけど、何回やっても飽きずに楽しめた縁日。今はなかなか味わうことも出来ない甘い興奮と記憶を、率川神社の前を通るたびに思い返して歩き、時に賽銭を投げてはあの頃と同じような気持ちで詣でています。

簡素な拝殿には朝日の光が差し込んでいた。

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