瀧安寺
りゅうあんじ □大阪府箕面市





箕面の森に佇む、日本四弁財天。
箕面の森を歩く滝道の途中にある瀧安寺。創建は650年と伝わる古刹です。開基は修験道の祖・役行者。箕面大滝の近くに弁財天を安置した堂宇を建てたのがはじまりで、古くは箕面寺と呼ばれました。後醍醐天皇の時世に瀧安寺と改称し、現在に至ります。古くから修行の地として敬われた瀧安寺は、行基、空海、圓珍、法然、日蓮など、歴史的な名僧たちも訪れては精進を重ねたといいます。そんな名刹を、箕面公園の散策も兼ねて訪ねてみました。

重文の如意輪観音像を安置する、観音堂。
滝道を歩き始めて約20分。箕面公園昆虫館を過ぎて少しのところに、それまでは緑のトンネルが急に開ける広場があります。そこが瀧安寺。箕面大滝に向かって左側に山門があり、その奥に重文の如意輪観音像を安置する観音堂が建ちます。その横には瑞雲橋という、赤い欄干が印象的な橋が滝道を跨いて架かっており、先の高台には大きな客殿と国の有形文化財に登録されている鳳凰閣が並びます。鳳凰閣を設計したのは武田五一氏。金剛峯寺の金堂や根本大塔、京都市役所、高麗橋など数々の名建築を残した建築家です。

大護摩道場とよばれる、儀式の場。
戻って、観音堂のさらに奥に、瀧安寺の真髄があります。二の鳥居を抜けると、境内の雰囲気は一変します。苔むした石垣や鬱蒼と生い茂る木々に囲まれた、幽玄の世界がそこに。まず目に入るのが大護摩道場とよばれる修験道の儀式の場。伽耶院で見たのと同じように、石の柵で仕切られた四角形の空間に、石の舞台が置かれています。毎年数回、山伏たちが集まりここで「採燈大護摩供」が行われます。大きく燃え上がる炎を前に、山伏たちの法螺貝が鳴り響く荘厳な儀式です。最近行われた跡なのか、その場には炭となった組み木がそのまま残っていました。

日本四弁財天に、数えられる弁天堂。
横の石段を上ったところに、瀧安寺の本堂である弁天堂があります。建物は1656年に再建されたものですが、瀧安寺は日本で最初にして最古の弁財天を祭祀すると言われます。また厳島、竹生島、江ノ島と並び、「日本四弁財天」に数えられています。弁天堂の周囲には他にも大黒堂、行者堂などがあり、また古い石灯籠や石像も並ぶ様子はどこか神秘的な雰囲気が漂っています。土、苔、石、草花、木々、それぞれの精霊が囁きかけてくるような、誰かに守られる感じがします。古びた堂宇もまた同じく、数百年の時の連なりを帯びて、優しく語りかけてきます。不思議な感覚を持てる場所。この場所が瀧安寺の一番の見どころだと思います。

日本の宝くじの、発祥の地。
それともうひとつ、瀧安寺には逸話があります。それは日本の宝くじ発祥の地であること。「箕面富」と呼ばれた、今の宝くじの原型になるような籤が平安時代から行われていたそうです。もっとも現代のように当たるのはお金ではなく、「大福御守」という特別な御守りだったそう。明治時代に入ってしばらく途絶えましたが、2009年に復活。毎年10月10日に「箕面富」が行われています。
昔も今も、運を味方につけて特別なご利益を得たいという人間の儚い夢は変わらないんだなと、ちょっとほっとした気持ちになりました。

photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 瀧安寺 |
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所在地 | 大阪府箕面市箕面公園2-23 |
問い合わせ先 | 072-721-3003 | 箕面山 瀧安寺 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | https://www.ryuanji.org/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/瀧安寺 |
食べログ | ー |
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