浮御堂
うきみどう □滋賀県大津市
琵琶湖に浮かぶ姿は、風流の極み。
奈良出身の私は「うきみどう」と聞くと奈良公園の浮見堂を真っ先に思い出しますが、琵琶湖に浮かぶ「浮御堂」も有名な「うきみどう」です。風趣あふれるその姿は古くから親しまれており、歌にも多く詠まれてきました。それが琵琶湖大橋の架かる湖西の町、堅田にある満月寺の浮御堂です。近江八景のひとつであり、歌川広重による浮世絵「堅田の落雁」には、見事にこの浮御堂が描かれています。昔から人々を魅了してきた景勝地なのです。
平安時代の美意識が、時代を超えて愛される。
満月寺は比叡山の僧、源信によって平安時代の後期に創建されました。湖の安全と衆生済度を祈願し、お堂のうち一つは湖上に建てられ浮御堂と呼ばれるようになりました。境内は琵琶湖の畔にあり、大半のお堂は陸地にあります。そのうち本堂である観音堂には重要文化財の本尊・聖観音座像が安置され、満月寺の歴史を物語ります。昔からこのあたりは景勝地だったことを示すように満月寺のすぐ隣には料理旅館があり、創業300年といいます。周囲の町並みも風情があり、石畳の道路など特別な雰囲気に満ちています。
浮御堂が醸し出す、凛とした威厳。
実は満月寺を訪ねた時には夕方で、山門はすでに閉じられていました。境内には入れなかったのですが、左右から浮御堂を見ることは出来ました。お寺と料理旅館の間の道は琵琶湖の岸まで伸びて袋小路なんですが、そこからフェンス越しに浮御堂を見ることができます。または右側から民家を回り込めば琵琶湖の畔に小さな公園があり、そこからも浮御堂を見ることができます。
浮御堂の基礎はコンクリートですが、正方形の美しいお堂です。やや波の立つ湖面に陰を落とし、澄んだ空とコントラストを描いています。昭和の初めの室戸台風で倒壊してしまい、現在の浮御堂は1937年に再建されたものです。しかし浮御堂が醸し出す凛とした威厳は、それまでの満月寺の歴史をしっかり伝えています。
浮御堂の背景が、もし満月になれば。
ふと空を見上げたら、早いもので夕刻の空に白い月が出ていました。満月とまではいきませんが、美しい月です。もし満月になれば、満月寺の浮御堂との対比は、これ以上ない風流な光景になることでしょう。いつか見てみたい風景のひとつになりました。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 浮御堂 |
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所在地 | 滋賀県大津市本堅田1丁目16-18 |
問い合わせ先 | 077-572-0455 | 満月寺 浮御堂 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/満月寺浮御堂 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298202-d1424445-Reviews-Ukimido-Otsu_Shiga_Prefecture_Kinki.html |
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