須磨浦山上遊園
すまさんじょうゆうえん □兵庫県神戸市
レトロな昭和的観光名所の、無骨なまでの精神。
瀬戸内海から大阪湾を見晴らすスケールの大きなパノラマ眺望と、昭和の香りがムンムンと漂うレトロな施設群が魅力の須磨浦山上遊園。梅林を目当てに、寒さも和らぎ出した3月に訪れました。
山上遊園というだけあって、当地へは麓の須磨浦公園駅から乗り換えて、ロープウェイでアクセスします。全長500mほどのルートを3分ほど。出発してすぐに視界は開け、須磨海岸から六甲山地を含めた三宮方面の眺望が素晴らしいです。ルート上には遮るものはないので、徐々に高度を上げていく中ずっと眺めることができ、高さの変化で見え方が変わっていくのが楽しい、まるで自分がドローンになったかのような感覚です。
昭和の香りがムンムンと漂うレトロな施設群が魅力の須磨浦山上遊園。瀬戸内海から大阪湾を見晴らす眺望も魅力。
山上へはロープウェイで昇る。
ロープウェイから見た美しい須磨海岸。
摩訶不思議な乗り物、カーレーター。
終点に到着すると、すぐにカーレーターと呼ばれる乗り物に乗り換えます。これは摩訶不思議な乗り物で、座って乗るエスカレーターのようなもの。公式サイトには、「乗り心地の悪さが評判です。いもむしに乗った感じをお楽しみください。」なんて書いてあるのですが、確かに乗り心地は良くない。ガタガタと金属的な振動と、ゴムベルトのキュルキュルという音が特徴で、ベルトコンベアに運ばれているような感覚。でも同時に、こんな昭和的乗り物に出会う機会もなかなかないので、それはそれで楽しいものです。
レトロ過ぎて魅力たっぷりの不思議な乗り物「カーレーター」。箱に入って、ベルトコンベアに運ばれているような感覚。
乗降場所は平坦なループ線になっている。
山上側の「カーレーター」乗り場。
カーレーターは結構な角度がある。
飛行機から見た須磨浦山上遊園。
40年くらいは、簡単にタイムトリップできそう。
そうしてたどり着いたところが山頂エリア。ここには回転展望閣と名付けられた建物があります。これがまた昭和。回転するレストランも現役だし、レトロなゲームコーナー、まさかのジュークボックス。ラインラップもとにかく昭和です。このあたりから、そろそろ気分も昭和色。40年くらいは簡単にタイムトリップできそうです。
それもそのはず、須磨浦山上遊園は1959年に開園されたのですが、ほとんどの施設が当時のまま運営されているのです。古ぼけたアルバムにありそうな風景は、今となっては逆に新鮮。この独特のゆるい雰囲気も、今でも人気を博す理由なのでしょう。
「回転展望閣」で見つけたのは、古いゲームコーナーと現役のジュークボックス。曲のラインナップも懐かしい。
「花の広場」には以前は噴水があった。
訪ねたのは春先、美しい椿が咲いていた。
変わらないのは、素晴らしい大パノラマも同じ。
そしてもうひとつ、当時から変わらないもの、それは展望閣からの素晴らしい大パノラマです。
展望閣は六甲山地の西端にあります。同じく眺望で有名な掬星台や六甲展望台と比べて、西側が開けます。また北側にも険しい山がないため、360°のパノラマを楽しめるのです。展望閣の屋上が円形の展望台になっていて、何にも邪魔されない圧倒的な景色が広がります。西には瀬戸内海、小豆島、淡路島、明石海峡大橋、播磨平野。東には須磨海岸、神戸空港、神戸の街並、六甲山、大阪湾、大阪平野、紀淡海峡。北にはなだらかな丘陵地帯が延々と広がります。とにかく全てが眺められるのです。この大パノラマは、六甲山地広しと言えど、須磨浦山上遊園でしか体験することが出来ない唯一のものです。
「回転展望閣」の屋上からの眺望。何にも邪魔されない圧倒的な景色が広がる。
谷をまたぐリフトの途中にある、地点で摂津国と播磨国の旧国境。
「花の広場」シンボルのアーチ屋根。
六甲山地の岬の突端のような、特等席。
さて、広大な敷地には実はまだ続きがあります。回転展望閣から、さらに西側へリフトが出ています。谷を挟んだ向こう側にある少し低い山へ渡るリフト、スキー場によくあるタイプのものです。このリフトが渡る谷は、実は旧国名の摂津国と播磨国に隔てる国境。
相変わらず気持ちのよい風に吹かれて谷を渡ると、サイクルモノレールなどが設置された子供向けの遊園地、噴水を中心にした広場やバーベキュー施設があります。そして目指していた梅林もこのゾーンにあります。約700本もの梅林で、梅林越しにはパノラマの絶景が手に取るように見えます。思い思いに色づいた梅の木が、少しずつ増えてきた春の気配を届けてくれました。
また須磨浦山上遊園には麓から山頂にかけての一帯に3000本以上もの桜の木があります。素晴らしい眺望と季節の花々、そしてなんといってもレトロな昭和的観光名所の精神。六甲山地の岬の突端のような特等席で、今もたくさんのファンを集めています。
ふんすいランド(2023年に花の広場に改築)越しの眺望。向こうに見えるのは淡路島。
山頂付近には美しい梅林がある。
梅林の奥に見えるのは「回転展望閣」。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 須磨浦山上遊園 |
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所在地 | 兵庫県神戸市須磨区一ノ谷町5丁目3 |
問い合わせ先 | 078-731-2520 | 須磨浦山上遊園 |
休業日 | 火曜日 |
料金 | 施設によって異なる |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | http://www.sumaura-yuen.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/須磨浦山上遊園 |
食べログ | - |
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