草津川跡地公園

くさつがわあとちこうえん　□滋賀県草津市

川の流れが、失われたその場所で。

ここにはかつて川が流れていたなんて、ちょっと想像するだけで壮大なドラマ性を感じます。今は静かで、緑豊かな草津川跡地公園。近くの家族連れや子供たちがゆっくりとした時間を過ごし、まさに市民の憩いの場とした雰囲気に満ちています。ほんの20年ほど前までは水が流れ、さらに言えば時々あたりに洪水をもたらしてきた暴れ川があったとは思えない風景です。そんな旧草津川の歴史も感じに、草津川跡地公園を訪ねてみました。

全長約7kmにも及ぶ、壮大な計画。

草津川跡地公園は旧草津川の廃川になった土地を利用して、最終的には全長約7kmにも及ぶ壮大な計画。2017年に先行区画として「ai彩ひろば」と「de愛ひろば」が開園した新しい都市公園です。それぞれが大規模で設備も立派な公園ですが、これからまだ4つの区画が整備されるという、かなり大掛かりな開発となっています。「ai彩ひろば」は「農と人の共生」をテーマににぎわい活動棟やスクールガーデンなどがあり、市民活動も盛んに行われています。またキャンプ場やバーベキュー場、農園などもあり、自然と触れ合いながら家族で楽しめる公園。琵琶湖寄りの長さ約1.2kmに渡って広がります。

駅近の賑わいゾーン、「de愛ひろば」。

今回主に訪ねたのは、JR草津駅からすぐのエリアにある「de愛ひろば」。長さ約900m、約3.8haの広さがあるゾーンです。ここにある商業施設「クサツココリバ」にはカフェやレストラン、ホットヨガのお店などがあり、ずいぶんオシャレな雰囲気。平日の昼下がりでしたが、人がけっこういて賑わっています。ゾーン内にはせせらぎが流れ、花に彩られたガーデンや、一周1.5kmのウォーキングコースも設けられています。

新たな時代が始まった、2017年。

あらためて思いますが、ここはかつて川が流れていた場所。町並みよりも高いところを流れる、いわゆる天井川だった旧草津川。度々繰り返した水害の対策のため、低地を流れる新しい川を造り、水の流れを一新する大掛かりな工事が1982年に着工します。それまでは田畑や民家だったところに、真新しい川を造るのですから、想像するだけでも大変な工事です。国土地理院の昔の空撮を見ても、今の草津川は影も形もないのです。
20年にも及ぶ工期の末、2002年に新しい草津川が完成し、水の流れが切り替えられました。旧草津川はその後しばらく放置されていましたが、こうして2017年にようやく新しい役目を持ったわけです。

そこには、変わらない景色もある。

そんな歴史を思うと、水が無くなった川の川底にいるなんて、なんだか不思議な気分です。見上げると澄んだ秋の青空があり、そっちの方が川かと思ってしまいます。川の流れって、いつまでもどこまでも続いているイメージなのに、それがぱったりと無くなってしまうこともあるのだと気付きます。
草津川跡地公園はもともと堤防だった部分もそのまま残されていて、一段高くなった部分が両側にあります。堤防に咲いていた桜並木も残され、春には美しい花回廊になります。そこには変わらない景色もあるのです。色んなことを考えてしまう、感じられる公園です。川というものが、水の流れというものが、モノではなくてコトなんだということを。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	草津川跡地公園
所在地	滋賀県草津市大路2丁目4-11
問い合わせ先	077-562-5010 ｜にぎわい活動棟（案内所・管理事務所）
休業日	-
料金	-
駐車場	有料駐車場
公式サイト	https://www.kusatsugawaatochi-park.com/
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/草津川跡地公園
食べログ	ー
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1023565-d21262237-Reviews-Kusatsugawa_Atochi_Park-Kusatsu_Shiga_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT	202310