瀬田の唐橋
せたのからはし □滋賀県大津市
日本三古橋とされ、「急がば回れ」で有名な橋。
ゆっくりとした流れで琵琶湖から流れ出す瀬田川。日本一大きな湖に注ぎ込む川は数あれど、実は流れ出す川は唯一この瀬田川だけなのです。例えば広い海原に向かって川は注いでいるし、琵琶湖にもたくさんの川が注いでいるし、なんとなく川は広い面積を持つ水面の方に流れているという先入観があると思います。だから何も知識がなく瀬田川を訪れると、それが湖からあふれて流れ出している川だとはついに最後まで気がつかず、この文章を書き出して初めて知ったくらいです。瀬田川はその後大阪湾へ向けて、宇治川、淀川と名前を変えて流れてゆきます。
「瀬田の唐橋」は琵琶湖から流れ出る唯一の川である瀬田川の始点付近に架かる橋。
日本三古橋とされる、歴史ある橋。
その瀬田川の河口付近に架かる日本風の趣深い橋が、瀬田の唐橋です。京都の宇治橋、山崎橋と並んで日本三古橋とされる歴史ある橋で、日本100名橋にも選定されています。全長260m、緩やかに反ったフォルムが特徴的で、木を意識したクリーム色の欄干や旧橋から据え替えられた擬宝珠(ぎぼし)が、古風な趣を漂わせます。
また古くは瀬田川に架かる唯一の橋だったこの唐橋は、交通上でも軍事上でも要衝だったので、「唐橋を制する者は天下を制す」とも言われました。歴史的に見ても、壬申の乱や源平合戦、承久の乱など数々の戦の舞台となったことでも知られています。戦乱の中、破壊と再建が繰り返された橋でもありました。戦国の世が終わりを告げた江戸時代、東西の人の移動が活発になり、瀬田の唐橋には東海道が通ります。歌川広重の東海道五十三次にも登場し、ますます重要な橋としてその存在感を増しました。
「日本三古橋」とされる歴史ある橋で、さらに「日本100名橋」にも選定されている名橋。
橋の周辺には、ゆったりとした和の雰囲気が漂う。
それからよく知られたエピソード。東から京都へ向かうには、琵琶湖を渡るか瀬田川を渡るしかなかった時の話。距離的には琵琶湖の渡しの方が近く、その反面比叡山から吹き下ろす強風によって遅くなったり渡れなかったりということがあったそうです。だからちょっと遠回りでも瀬田の唐橋を渡る方が確実に予定通り着いたのだそう。そこから生まれた言葉が「急がば回れ」。今は交通網が発達し、急ぐならいくらでも急げる時代。先を急ぐ人にとって瀬田の唐橋は回るだけ到着が遅くなる橋なのかもしれませんが、だからこそ橋の周辺にはゆったりとした和の雰囲気が漂っているし、その空気に浸ることを楽しめる橋でした。
「急がば回れ」ということわざの語源ともなった橋。周辺の桜並木が美しいことでも知られる。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 瀬田の唐橋 |
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所在地 | 滋賀県大津市唐橋町~瀬田1丁目 |
問い合わせ先 | 077-534-0706 | 石山駅観光案内所 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 周辺有料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/瀬田の唐橋 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298202-d1424451-Reviews-Setano_Karahashi-Otsu_Shiga_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 200709 |
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