九品寺

くほんじ　□奈良県御所市

奈良盆地を眺めて咲く、真っ赤な彼岸花。

9月のお彼岸。奈良県御所市にある九品寺に、多くの人々が訪れる季節です。お目当ては寺の空き地に咲き誇る彼岸花の群生です。長閑な初秋の田園風景。稲穂が黄味を帯び始めた景色の中で、鮮やかに色を付けて映える彼岸花。少し前まで大合唱だったセミの鳴き声も、気がつけば虫の音にとって変わり、火照った体が気持ちよく冷めていくように耳を通して心の中に沁み入ってきます。そんな落ち着いた心で眺める、真っ赤な彼岸花の世界。九品寺周辺には、見た目以上に美しい景色が広がっていました。

葛城山麓にひっそりと佇む、静かなお寺。

九品寺はどちらかというと小さなお寺です。奈良時代の名僧行基によって開創されたと伝えられる古刹。本尊は国の重要文化財である阿弥陀如来で、裏山へ続く境内には「千体石仏」と呼ばれる多数の石仏があることでも有名です。奈良盆地を見下ろす丘の上にあり、境内からの眺望、またその風景にある大和三山を望めることも魅力のひとつです。そして九品寺の人気をもっと高めているのが、彼岸花の群生なのです。

普段は何気ない場所が、真紅の花咲くステージに。

この地域の幹線道路のひとつである県道30号線から、ツツジで有名な葛城山へつながる斜面地を登る道へ曲がります。左右を田畑に囲まれた道を200mほど登ったところに九品寺があります。駐車場は寺地の周辺に点在しています。この時期に九品寺を訪れる観光客はとても多いみたいで、普段は静かな里山の風景は一転賑わいを見せます。まずは本堂にお参りをしてから、境内の北側に広がる彼岸花の群生地を見に行きます。最も多くの彼岸花が咲く場所に着くまでにも、田んぼの畦道や法面には真っ赤に咲く彼岸花が見られます。普段は何気ない場所が、美しい真紅の花咲くステージに変わっています。

奈良にはもうすぐ、本格的な秋の深まりがやってくる。

九品寺の北側の斜面の中腹に平らな場所があり、そこが最も豪華な群生が見られる場所です。真っ赤な海原のように、一面が彼岸花に埋め尽くされています。ハッとするような鮮やかな赤色が、秋色の田畑と空に強烈なコントラストを描きます。また見下ろす奈良盆地との共演も、この場所ならではの絶景です。秋めいた風が体を撫でます。茎が屈強な彼岸花は、風に揺れずに直立しています。そんな景色を眺めていると、奈良にはもうすぐ、本格的な秋の深まりがやってくるのが感じられました。よく見れば赤い絨毯の一角には、白い彼岸花も咲いていました。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	九品寺
所在地	奈良県御所市楢原1188
問い合わせ先	0745-62-3346 ｜御所市観光協会
休業日	-
料金	-
駐車場	無料駐車場
公式サイト	-
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/九品寺_(御所市)
食べログ	-
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022862-d1385904-Reviews-Kuhonji_Temple-Gose_Nara_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT	202209