新夕陽ヶ丘（舞洲スポーツアイランド）

しんゆうひがおか・まいしますぽーつあいらんど　□大阪府大阪市

大阪湾を染める、極上の夕陽。

大阪湾に浮かぶ人工島、舞洲。島の入口付近には奇抜な外観が目を惹く大阪市環境局舞洲工場や、大規模な物流施設が建ち並びます。その向こうには舞洲スポーツアイランド。野球場やサッカー場、総合体育館、テニスコートなど、プロチームも利用する充実したスポーツ公園です。その西側には海沿いに心地のよい広場があり、大規模なイベントやフェス、また春には名物のネモフィラ祭りなど一年を通して賑わいのあるエリアとなっています。

本家の夕陽ヶ丘を背にした、新しい最前席。

最西端の海の一歩手前に、こんもりと盛り上がった小さな丘があります。高さは25mほど。その上から何かを眺めるにはちょうどよい高さです。下から見上げると丘は緑に覆われていて、その後ろの森と一体となって青空に映えています。最頂部には屋根付きのベンチがあり、周りはちょっとした広場になっています。この丘から眺めるべきもの、それは大阪湾を赤く染める夕陽です。そしてこの丘は、新夕陽ヶ丘と呼ばれます。「新」が付くのは当然、元祖があるからです。元来の夕陽ヶ丘は大阪市内中心部、上町台地にあります。今の大阪の大部分がまだ海だった頃から、美しい夕陽が見られる場所として愛されてきたところです。それに対してこの新夕陽ヶ丘。元祖の夕陽ヶ丘からは約11km離れていますが、言い換えればその距離分、大阪の街が発展してきたということです。そして新夕陽ヶ丘の方が、実は日本の夕陽100選に選ばれています。

空だけでなく、海もまた夕焼け色に染まる。

この日は予期せず新夕陽ヶ丘の周辺では、ロックバンド勢揃いのフェスが催されていました。丘に上ったら、大盛り上がりのステージが見えてしまいました。音も迫力のまま聴こえて来るので、なんだか得した気分。夕暮れの涼しい風とフェスの熱気という、相反するものを感じながら、傾きかけた太陽を見ることにしました。
新夕陽ヶ丘の頂上からは、大阪湾とその向こうに横たわる六甲山と神戸の街並み、さらに淡路島と明石海峡大橋が手に取るようによく見えます。想像以上に近く見えます。そしてその景色が、いよいよ赤く染められようとしています。適度な海風が気持ち良く、また目の前に広がる景色を澄んだものにしているようです。その中でくっきりと輪郭が浮かび上がる風景は、刻一刻と夕焼け色の深みを増していきます。海には波があります。光が当たっているところは夕焼け色を映し、当たっていないところは影の色が濃くなってゆきます。徐々に印影が強くなる海。夕暮れで表情が変わるのは空だけでなく、海もまたそうなのです。

その日見た、最後の太陽。

ところで新夕陽ヶ丘へ上る階段は、3本あります。実はこれが夏至、春分の日（秋分の日）、冬至それぞれの夕陽が沈む場所を指しています。それを思うと、暦によってこんなにも太陽が沈む位置が違うことに驚きます。ウィットに富んだ仕掛けです。
やがて太陽は六甲山の向こうへ落ちてゆきます。山の上にたなびく雲に消えたのが、その日見た最後の太陽でした。それでも雲の向こう側でなお世界を赤く染め続け、まだしばらく夕焼けを楽しみました。素直に、100選に選ばれているだけの濃密な夕日が見られる場所だと思いました。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	新夕陽ヶ丘（舞洲スポーツアイランド）
所在地	大阪府大阪市此花区北港緑地2-2-98
問い合わせ先	06-6572-4050 ｜大阪港湾局
休業日	-
料金	-
駐車場	有料駐車場
公式サイト	https://shisetsu.mizuno.jp/m-7402
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/舞洲スポーツアイランド
食べログ	-
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298566-d1550179-Reviews-Shin_yuhigaoka_at_Maishima_Sports_Island-Osaka_Osaka_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT	202207