薬王寺
やくおうじ □徳島県海部郡美波町
厄除の名刹として知られる、「おやくっさん」。
地元では親しみを込めて「おやくっさん」と呼ばれる薬王寺。寺の名に由来するのはもちろんですが、薬王寺は厄払いで有名なことからもそう呼ばれています。四国八十八ヶ所霊場の第23番、徳島では最後のお寺です。726年に行基によって創建され、その後空海が本尊となる薬師如来を彫像して再興したとされます。
国道55号線沿いに立つ仁王門をくぐると、すぐに急な石段が現れます。33段の女厄坂と42段の男厄坂。本堂や大師堂へと続く階段ですが、とくに厄年の人が昇る時に、一段一段に賽銭を投げて厄を落とすという習わしがあります。
薬王寺は行基により726年に創建された古刹。遠くからでも見える「瑜祇塔」がシンボル。
「後向き薬師」と呼ばれる、珍しい薬師如来像。
境内は山の中腹にあるので階段が多くて大変ですが、還暦厄坂と呼ばれる60段を上ったところに、薬王寺のシンボルでもある瑜祇塔があります。国道からでもよく目立つこの塔は昭和になってから建てられたものですが、基部が円筒形、屋根が正方形、そして屋上には5本もの相輪が立つ一風変わった建物です。
それともうひとつ、この寺には大変珍しいものがあります。それは空海が彫ったという薬師如来像。その何が珍しいのかというと、「後向き薬師」と呼ばれるように背を向けているのだとか。逸話も興味深いものです。平安末期に薬王寺が火災に見舞われた時に自分で空を飛んで高野山に避難し、他の堂塔がみな焼失したにもかかわらず薬師如来像だけは焼失を免れたそうです。
四国八十八箇所の第23番札所で、厄除けの寺として知られる。写真は江戸時代後期に再建された仁王門。
厄除けの名所として、今も多くの人で賑わう。
その後寺が再建された時にまた自分で飛んで帰ってきて、その際に後ろ向きに厨子に入ってそのまま厨子を閉じたそうなのです。それ以降は秘仏とされていますが、再建時のものと合わせると薬王寺には2体の本尊があることになります。
歴代の天皇からも篤い信仰を集めた薬王寺。厄除けの名所として今も多くの人で賑わいます。この薬王寺を出ると、次の第24番最御崎寺までは約77kmの長距離行脚。お遍路さんはここでたっぷりと休息をとって、はるか室戸岬を目指します。
境内には男厄坂42段、女厄坂33段、還暦厄坂61段という3つの厄坂がある。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 薬王寺 |
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所在地 | 徳島県海部郡美波町奥河内字寺前285-1 |
問い合わせ先 | 0884-77-0023 | 薬王寺 |
休業日 | 無休 |
料金 | 瑜祇塔拝観料 大人100円、小学生50円 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | http://yakuouji.net/ |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/薬王寺_(徳島県美波町) |
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