奥津温泉
おくつおんせん □岡山県苫田郡鏡野町
自然豊かな山間に、名湯「鍵湯」を訪ねて。
湯原、湯郷と並んで美作三湯に数えられる奥津温泉。緑豊かな山間にこぢんまりと構える奥津温泉は、温泉街と呼べるほどは大きくなく、ゆっくりと時間が流れる穏やかな雰囲気で人々を迎えてくれます。
吉井川沿いに風情のある老舗旅館や民宿がならび、奥津橋のたもとの河原には露天風呂がふたつあります。三朝温泉の河原風呂みたいに野趣あふれる露天風呂で、そのうちのひとつで足踏み洗濯が実演されることで有名です。昔は近辺に熊や狼がよく出没して、用心のため立って見張りをしながら洗濯したことが始まりなのだとか。奥津小唄に合わせて躍りながら足で洗濯をする様子は、軽快で見ていて楽しいものです。
奥津温泉は湯原、湯郷と並んで美作三湯に数えられる。写真は名湯鍵湯で知られる旅館「奥津荘」。
数多くの作品が残されている、棟方志功の常宿。
今回は昭和8年創業の老舗、奥津荘を訪ねます。築90年余という歴史を感じさせる堂々とした建物、穏やかに出迎えてくれる宿の主人と挨拶を交わし、格子天井と真紅の絨毯に心打たれ。世界的版画家、棟方志功がよく投宿したといい、今も数多くの作品が残され展示されています。
そして奥津荘の名物、鍵湯。江戸時代に津山藩が作った藩主や重臣専用の湯船で、一般が入れないように鍵をかけたことからそう呼ばれるようになったのだそう。それが今も奥津荘の内湯として利用できるのです。湯船の底からじわじわと湧き出していて、42℃のかけ流し、自然そのままの湯は限られた人物しか入れなかったことにも頷ける名湯でした。
奥津荘は、源泉掛け流しの温泉と棟方志功ゆかりの宿として知られている名旅館。
樹齢約400年という、大イチョウが象徴。
また奥津荘の敷地の真ん中には、奥津温泉街の全てを見守ってくれてるような、樹齢約400年という大イチョウが立っています。11月頭の奥津、季節は晩秋。鮮やかに黄色に色付いたイチョウの葉は、何かとても甘い果物のような色に見えます。そろそろ熟れ出した葉はぽつらぽつら落葉し、その舞い落ちる場所に、ふたつの離れがあります。黄色の絨毯を踏み分け、格子戸を開ける時にもまた落葉。温かい日溜まりのある小春日和で、扇型の葉が揺れながら落ちる姿はどこか楽しそうにさえ見えます。
奥津荘には奥津温泉街の全てを見守ってくれているような、樹齢約400年という大イチョウが立っている。
焼き物の湯釜には、絶えず注ぐ源泉かけ流しの湯。
宿泊した離れのひとつ清閑亭は、吉井川の畔に建ちます。庭先には露天風呂が設けられていて、焼き物の湯釜には絶えず注ぐ源泉かけ流しの湯。何度入っても飽きないまさに至福の時間を楽しませてくれます。
そして熟れた黄色のイチョウの葉が、またここにも舞い落ちます。見上げれば大きく空を覆う枝葉、表現しようもないほど美しい黄色い傘の中。こんな場所、こんな季節に訪れたことを幸せに感じます。湯につかりながら、軽く肩を叩かれたかと思えば、落ちて浮かぶイチョウの葉がまたひとつと増してゆき、湯から上がる頃には何枚もの葉が心地良さそうに湯面を揺れる、まさに銀杏の湯を心から満喫できた一日でした。
露天風呂付きの贅沢な離れの部屋も。焼き物の湯釜には、絶えず注ぐ源泉かけ流しの湯。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 奥津温泉 |
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所在地 | 岡山県苫田郡鏡野町奥津 |
問い合わせ先 | 0868-52-0610 | 奥津温泉観光協会 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | https://www.kagamino.holiday/spot/entry-215.html |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/奥津温泉 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g1027147-d1135491-Reviews-Okutsuso-Kagamino_cho_Tomata_gun_Okayama_Prefecture_Chugoku.html |
LAST VISIT | 200811 |
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