蹴上インクライン
けあげいんくらいん □京都府京都市
船を運んだトロッコの軌跡、春は桜に彩られて。
蹴上インクラインは、滋賀と京都を結ぶ水の交通便として建設された、一種のケーブルカーのような施設。そしてそこを行き来するのは陸揚げされた船でした。今でもそんな光景が見られるなら見てみたいものですが、当時も山を船が上り下りする様子は珍しく、見物客でたいそう賑わったといいます。
蹴上インクラインは明治23年に完成しました。有名な琵琶湖疎水、琵琶湖から京都まで運河のように水路が築かれたんですが、どうしても運河を流せなかった坂の多い地域には、このインクラインのような線路が設けられ、船は一旦トロッコに載せられて運ばれました。やがて交通が発達して、1940年頃にインクラインが廃線となった跡がこの蹴上インクラインです。
琵琶湖疏水の一部として明治23年に造られた蹴上インクライン。写真はインクラインの下をくぐるトンネル「ねじりまんぽ」の扁額。
褐せた記憶を、写し紙に描きとったような光景。
そこは錆びたまま残されたレールが趣き深く、褐せた記憶を写し紙に描きとったような光景でした。廃線が漂わせる平穏であり優しさのある独特の空気が、この線路にも流れています。両脇は桜並木なので、春には見るも鮮やかな桜のトンネルとなり、訪れる人々のため息を誘います。
レールの間には短い緑草がピンとした勢いで生えるこの道を、枕木の間隔に合わせて、自分とは違う歩幅で歩きました。船が東山にあるこのレールを運ばれていたなんて、歩いても全然想像できません。その長さは約580m。そこに流れているゆっくりとした時間に身を委ね、刻み込まれた歴史を探しながらの散策でした。
長さは約580m。琵琶湖疏水を水運として利用する船を台車に載せて運んでいた。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 蹴上インクライン |
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所在地 | 京都府京都市左京区粟田口山下町~南禅寺草川町 |
問い合わせ先 | 075-761-3171 | 京都市上下水道局 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 周辺有料駐車場 |
公式サイト | https://www.city.kyoto.lg.jp/suido/page/0000007477.html |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/琵琶湖疏水 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298564-d1975187-Reviews-Keage_Incline-Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html |
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