青蓮院

しょうれんいん　□京都府京都市

風流と威厳に満ちた、門跡寺院の名刹。

白川界隈より東側の高台になってゆく傾斜地に、三千院や曼殊院などとならび京都五ケ室門跡のひとつとして名高い、青蓮院があります。門跡とは代々の門主を皇族が務める寺院のこと。京都には多くの門跡寺院がありますが、青蓮院はその中でも特に格式の高い門跡として知られています。すぐ隣には大寺院である知恩院がありますが、実はかつて青蓮院の寺領だったそうです。
青蓮院の見どころは門跡寺院として特色のある建物群と、四季に移ろう自然を巧妙に取り込んだ庭園です。

庭園を見渡す眺めが素晴らしい、華頂殿。

青蓮院の寺務所で拝観料を支払い、そのまま棟続きになっだ主な建物を見てまわります。建物は明治時代の火災でほとんどを焼失したので、それ以降に再建されたものです。最初に出てくる「華頂殿」は見事で、青蓮院の庭園を見渡す眺めが最高です。京都で庭園を楽しむ贅沢を思う存分味わえる感じ。また室内には鮮やかな襖絵や三十六歌仙それぞれの額装されたものが面白いです。

荘厳な雰囲気に満ちた、宸殿。

それから「宸殿」と呼ばれる青蓮院で最も大きな建物。「宸」は皇帝という意味で、宸殿は門跡寺院特有の建物です。青蓮院に関わりのあった天皇や歴代の門主の位牌が並び、荘厳で厳粛な雰囲気。法要もこの間で執り行われるそうです。浜松図という重要文化財の障壁画も。青蓮院の建物の中では、この宸殿が最も見ごたえがありました。
「小御所」は庭園を華頂殿とは逆方向から見る配置。またその奥には「熾盛光堂」と呼ばれる本堂があり、青蓮院の本尊である熾盛光如来の曼荼羅を安置しています。また本堂には「青不動」と言われる国宝の曼荼羅の複製が安置されています。本物は将軍塚の飛地境内に2014年に新設された「青龍殿奥殿」に祀られています。

渡り廊下も変化に富み、美しい光景。

またそれらの建物はすべて渡り廊下で繋がっています。それぞれの床の高さが微妙に違うので、渡り廊下にも段差があって複雑なのも歩いていて楽しかったり。
主な堂宇を巡ったら、靴を履いて庭園巡りとなります。回遊式になっていて、最後はそのまま出口へと続きます。

相阿弥の作と伝わる、青蓮院の名庭。

庭園巡りをスタートすると、はじめに渡り廊下の下をくぐるトンネルがあって、それを抜けるとさっき華頂殿から見た美しい日本庭園が広がっています。室町時代の相阿弥の作と伝えられ、背後の粟田山からの斜面を利用した作庭が特徴。滝が流れて、庭の中央には龍心池として水辺となります。その周囲には多種多様な草木が植えられていて、そのひとつひとつが全体の風流な景観を演出しています。特に楓の巨木には驚きます。また「霧島の庭」と呼ばれる、小堀遠州作と伝わる区域には、キリシマツツジの群生が春に可憐な花を咲かせます。豊臣秀吉が寄進したという、一文字手水鉢も必見。
また青蓮院の境内にある、市の天然記念物に指定されたクスノキの巨木も見どころ。全部で5本あり、圧倒的な存在感を放っています。

受け継がれてきた、威厳と風格。

青蓮院はもともと比叡山の山上にあり、青蓮坊と呼ばれていました。伝教大師最澄が開山し、その後も円仁、安恵などの高名な僧を送り出してきた、いわば名門。平安時代末期に京都盆地東麓の地に降りてきて以降、皇族が代々門主を務める格式高い寺院となりました。江戸時代には一時期仮の御所が置かれたこともあったそう。そして今もいわゆる旧皇族の家系が門主を務めています。歴史を通じて積み重ねられてきた青蓮院の威厳と風格は、今も大切に受け継がれていました。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	青蓮院
所在地	京都府京都市東山区粟田口三条坊町69-1
問い合わせ先	075-561-2345 ｜天台宗青蓮院門跡
休業日	無休
料金	大人600円、中高生400円、小学生200円
駐車場	-
公式サイト	http://www.shorenin.com/
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/青蓮院
食べログ	ー
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298564-d545963-Reviews-Shoren_in_Temple_Shoren_in_Monzeki-Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT	202406