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養翠園 養翠園

養翠園

ようすいえん □和歌山県和歌山市
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オススメ度

絶景の宝庫、紀州随一の大名庭園。

和歌山といえば紀州徳川家。初代の徳川頼宣から第14代徳川茂承まで、紀州藩主を勤めました。第5代の吉宗は江戸幕府の第8代将軍となり、その後の将軍家の家系となります。その歴代藩主の中で、紀州藩第10代藩主徳川治寶によって築かれた大名庭園が「養翠園」です。紀州藩随一であり、また今日に見られる各地の大名庭園でも珍しい「汐入式」が見られるなど、名園として誉高き庭園です。

養翠園

池に海水を引き入れた、珍しい造り。

養翠園は江戸時代末期、1826年に完成した日本庭園。風光明媚な和歌浦から北方へ山を超えた、海沿いに立地します。総面積は33,000平方メートルもあり、そのうち大きな面積を占める池が特徴。しかもこの池の水は、海から海水を引き入れた「汐入式」と呼ばれるもので、大名庭園としては養翠園の他には東京の浜離宮恩賜庭園だけという、大変珍しい造りです。海に近い場所には水門があり、そこで水量を調節するほか、そのまま船で出られるように「御船蔵」が設けられていました。

養翠園

水面は鏡のように、絶景を映す。

養翠園は回遊式で、あらかじめ決められた順路で見学します。まず目に飛び込んでくるのが前述した、汐入式の池です。池だけで約3,500坪もあるという広大なもので、畔に立てば景色のうちほとんどを池が占めるほど。どもその水面は鏡のように静かで、池を取り巻く世界をそのままに映しています。池の周りには立派な松を中心とした木々が立ち、その向こうにある章魚頭姿山(高津子山)と天神山を借景とした絶景が広がります。そしてそれらが映り込んだ池には、小さな島と水面を横切る土堤も見えます。真っ青な五月晴れの空もしっかり水の中に見え、本当に美しい景観です。

養翠園

「三ツ橋」は、美しい景色のアクセント。

先へ進むと、やがて池を横切る土堤を歩くことになります。この堤の途中には、「三ツ橋」と呼ばれる3つの小さなアーチ橋が設えられています。中国の西湖を模したものと言われ、景色のアクセントとしてとても印象的。土堤も三ツ橋も幅は人ひとりが通れるほどっ、少しだけスリルがあります。しかし先ほど見た絶景の真ん中を歩いているのだと思うと、なんだか誇らしい気分。三ツ橋を越えると土堤は直角に曲がり、社のある小島へ。稲荷社・弁天社が鎮座し、「守護神島」と呼ばれています。その向こうには「太鼓橋」というアーチ橋。コンクリート製ですが明治時代中頃に造られたもので、その当時のものが今も残っているのは大変貴重なことだそう。確かにコンクリートなのですが、まるで粘土で作ったかのような質感と綻び具合が歴史を語っています。

養翠園

藩主が客をもてなした、「養翠亭」。

池はやはりとても静かで、どこからでも美しい世界を演出しています。池の中には、水草や小さな魚の群れが見えます。太陽はわりと強めに養翠園を照らしていますが、何にも動じないかのように静寂です。時々池から小さな魚が跳ねる音、鳥の声、聞こえるのはそれだけ。
そうして池を渡り終えてしばらく進むと、「養翠亭」という建物があります。築200年を超える江戸時代の建築で、実際に藩主が客をもてなした時のままに残る貴重な建物です。縁側そばに、竜串海岸で見た蜂の巣のように穴が開いた石が置いてあり、紀州のつながりを感じました。

養翠園

水門や御船蔵など、養翠園ならではの施設。

養翠亭は養翠園のほぼ中央にあり、そこから東半分が池を中心とした開放的な景観、西半分は養翠亭も含めて純粋な日本の回遊式庭園という設え。その変化がまた印象深いです。なので後半はしっとりとした純和風の庭園鑑賞。でもそこに水門や御船蔵があったり、また紀州青石が多用されていたり、養翠園ならではの美しさが存分に発揮されていました。
最後に見られる「湊御殿」は紀州徳川家の別荘から移築されたもの。1834年の建築ですが美しく保たれ、内部の見学もできます(有料)。

養翠園

松は樹形が豪胆で、力強い印象。

いつも庭園をご紹介するときは長くなってしまいます。しかしこの養翠園もまた、見ごたえのある素晴らしい庭園です。約1,100本あるという松の育て方にも特徴があるのか、養翠園の松は樹形が豪胆で、力強い印象があります。特に直線的なシルエットが多い池周りでは、うねるような動きがある松並木がアクセントとなる深い表情を与えています。特に養翠亭の前の松が一番立派。ほぼ45°の角度で真っ直ぐ池の方に伸びる姿が圧巻です。そして松の深い緑、爽やかな5月の青空。瞼に心に、強く張り付くような景観が印象的でした。

養翠園

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称 養翠園
所在地 和歌山県和歌山市西浜1164
問い合わせ先 073-444-1430 | 養翠園
休業日 無休
料金 大人:600円(中学生以上)、子供:300円(小学生以下)
駐車場 無料駐車場
公式サイト https://yosuien.com/
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/養翠園
食べログ
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298204-d1385129-Reviews-Yosuien-Wakayama_Wakayama_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT 202405

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