和歌浦天満宮
わかうらてんまんぐう □和歌山県和歌山市





和歌浦を見下ろす、日本の三菅廟。
鳥居をくぐると、その先に見えるのは和歌浦天満宮の壮絶な石段です。一段ごとに高さがあるので、正面から見るとまるで崖のようです。そしてすぐ隣にある紀州東照宮でも見られるように、使われている石は紀州青石。しかも直前に降った雨で、より濃い青色に見えます。石段を上ると最後は息が切れましたが、振り返れば素晴らしい和歌浦の眺望がありました。

高台にある境内からは、風光明媚な和歌浦の風景が俯瞰で眺められる。楼門を通して見る和歌浦も格別の眺め。


かなり急な石段の上に楼門が建つ。


石段には紀州青石が使われている。


石段の上から眺める和歌浦の風景。


夏らしい青空が近くに感じられた。
学問の神様、菅原道真を祀る。
和歌浦天満宮は紀州東照宮と同じ山の中腹にありますが、歴史はずっと古く、造営は10世紀中頃とされています。学問の神様・菅原道真を祀り、毎年多くの受験生も合格祈願に訪れます。天神信仰のしるしのひとつである臥牛は、石段の下にも上にも鎮座します。特に石段下の臥牛は参道の左右に2躯あり、いずれも木製という珍しいものです。また天神様といえば、梅。石段の両サイドには梅の木が植えられ、名所となっています。
それと鷽鳥も和歌浦天満宮の名物でもあり、木彫りの人形が有名です。これも石段の途中に切り株を利用した巨大な鷽鳥がいて、独特の雰囲気を作り出しています。

「和歌浦天満宮」は10世紀中頃の創建。学問の神様・菅原道真を祀り、毎年多くの受験生も合格祈願に訪れる。


石段の途中にある珍しい木製の臥牛像。


神域にある臥牛像は石造りのもの。


和歌浦天満宮がある「高津子山」への登山口もある。


本殿の隣にある「筆塚」。
コントラストが際立ち、堀の深い精悍な外観。
立派な楼門を抜けた正面に、背後に山を背負って鎮座する本殿があります。入母屋造り千鳥破風のかなり豪奢な造り。外からは見えませんが、狩野派・土佐派の絵師が描いた極彩色の壁画で内外を装飾してあります。南から真夏の太陽を受けてコントラストが際立ち、堀の深い精悍な外観。それだけでなく端正な上品さも兼ね備えていて、大変見ごたえのある建物です。

本殿とその手前にある「唐門」。1606年再建の本殿は入母屋造り千鳥破風の豪奢な造りで、国の重要文化財に指定されている。


南から太陽を浴びて明るい本殿。


大宰府天満宮、北野天満宮とともに「日本三菅廟」とされる。


1605年再建の楼門は国の重文に指定されている。


本殿の右側には数多くの境内社が鎮座する。
境内社は、古色蒼然とした雰囲気。
その右側には多くの節末社が並び立ちます。どれも古めかしく、そこに漂う空気も何百年の歴史があるように古く感じます。その中の見どころが、一番奥で屋根付きの建物の下に並ぶ3つのお社。そのうち多賀神社と天照皇太神宮豊受大神宮の2社は、本殿や楼門と同じく1600年頃の造立。またそれら4棟は国の重要文化財に指定されています。その他の境内社も年月を刻み込んだものばかりで、古色蒼然とした雰囲気があります。

国の重文に指定されている「天照皇大神宮」と「豊受大神宮」の相殿を中央に、「多賀神社(国重文)」と「白山比賣神社」が並ぶ。


慶長年間に建立された「多賀神社(国重文)」。


ひとつの覆屋に九社の境内社が納められている。


九社と向かい合うように鎮座する「白藤龍大神」。


境内には古びた祠が数多くある。
日本の三菅廟と讃えられる、趣きと風格。
江戸時代の高名な儒学者林羅山は、和歌浦天満宮を太宰府天満宮、北野天満宮と合わせて日本の三菅廟と讃えました。その割には観光客が少ないのは事実ですが、やはり他の天神社とは違った趣きと風格があることは確かです。
帰りに崖のような石段を降りようと下を見ると、かなりの急勾配に少し足がすくむほど。でも脇に緩やかに斜面を降りていく別の石段があるから大丈夫。そちらも灯篭が並ぶ風流な道です。途中、正面の石段を真横から見られる場所があるのですが、その急な角度には改めて驚くのでした。

石段の横には比較的なだらかな参道もある。奥に見えているのは正面の石段で、あらためてその急角度が分かる。


狛犬と狐が並ぶ珍しい光景。


玉津島神社の「奠供山」から見た和歌浦天満宮。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 和歌浦天満宮 |
---|---|
所在地 | 和歌山県和歌山市和歌浦西2丁目1-24 |
問い合わせ先 | 073-444-4769 | 和歌浦天満宮 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/和歌浦天満宮 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298204-d1385126-Reviews-Wakaura_Tenmangu-Wakayama_Wakayama_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 202308 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。
