大阪府庁

おおさかふちょう　□大阪府大阪市

名建築と、名物「府庁ライス」。

大阪府庁は大阪城の西側、大手前と呼ばれる官公庁が集まるエリアにあり、その中でも大阪城天守と向き合うようなかたちで聳え立ちます。1926年に竣工した大きな建物で、全国の現存する都道府県庁舎の中で最も古い歴史を持つ建物です。もうすぐ100年を迎えようとする建築物ですが、今でも現役の庁舎として使われています。外観はシンプルなデザインなので、それほど古くは感じません。しかし細部や内観はやはり良い意味で年代を感じるもので、歴史的建造物としての楽しみ方もできる建物です。

モダニズム建築の、先駆けとも言われる。

設計は平林金吾氏で、名古屋市役所と同じ建築家です。たまたま1週間前に名古屋市役所も訪問していたため、思わぬ偶然に驚きました。しかし名古屋市役所とはかなり趣きの違うデザインです。
外観はかなり巨大な直方体といったシルエットで、煉瓦造りやドーム屋根、円柱などといった当時多く見られたクラシカルな要素がありません。花崗岩が多用された白い外壁、全てが直線的な構成、余分な装飾を排除したようなすっきりとしたデザイン。モダニズム建築の先駆けとも言われ、現代建築への転換点のひとつだったのかもしれません。

玄関を抜けると、３層吹抜の大空間。

しかし細部を見れば、やはりこの建物がもうすぐ築100年を迎えることが分かる意匠に出会います。特に正面玄関の周囲。多数の鋲が打たれたブロンズの扉や、繊細な彫刻が施された扉の枠、また玄関ポーチの柱に刻まれた古典的な紋様などは必見です。
玄関を抜けると、３層吹抜の大空間。装飾された12本の大理石の柱と梁が空間を支え、中央に大階段があります。巨大なこの広間は、まさに壮麗という言葉がぴったり。圧倒されっぱなしの迫力と華麗さがありました。

府庁の食堂は、一般にも開放されている。

また今回大阪府庁を訪問した目的が、もうひとつありました。それは地下にある食堂で、名物の「府庁ライス」をいただくことです。大阪府庁内の食堂は一般にも開放されているのです。正面玄関で名前と連絡先を書けば入館証を借りられますので、それで機械式ゲートを通って入館します。ちなみに上記の吹き抜けホールも、入館証が無ければ見ることができません。
食堂は昼時ということもあり、大盛況。公務員らしく、決まった昼休みに集中するようです。府庁ライスを注文すると、白米か雑穀米かを尋ねられるので、お好みで答えます。

地下食堂名物、「府庁ライス」。

府庁ライスはご飯に薄焼きの卵焼きとチキンカツが乗せられ、たっぷりのデミグラスソースがかかった料理。それぞれは馴染み深い料理ですが、この組み合わせは初めてです。チキンカツはソースがたっぷり絡んでもサクサク。これにサラダと味噌汁がついて700円です。酸味の効いたソースが美味しく、ボリュームもたっぷり。大盛も無料でやってもらえるようです。定期的に食べに来たい味です。定食も500円台と、職員がうらやましくなってしまいます。昼休みが終わる13時前には、食堂のお客さんはすっかりいなくなってしまいました。

映画やドラマのロケでも、大活躍。

食後はもう一度、中央吹き抜けホールを見ておきます。もちろん大階段も上り下りして。今では登録有形文化財にも指定されている大阪府庁。その特別な雰囲気は人々を魅了し、映画やドラマのロケでもたびたび使用されています。ハリウッド映画「ブラック・レイン」にも登場しているのです。
本会議場も定期的に見学会が開催されているそうで、次回はそこに照準を合わせて訪ねてみたいと思っています。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	大阪府庁
所在地	大阪府大阪市中央区大手前2丁目1-22
問い合わせ先	06-6941-0351 ｜大阪府本庁
休業日	土曜・日曜日・祝日・12月29日から1月3日
料金	-
駐車場	有料駐車場
公式サイト	https://www.pref.osaka.lg.jp/koho/location/location01.html
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/大阪府庁舎
食べログ	https://tabelog.com/osaka/A2701/A270104/27049432/
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g14127623-d13152096-Reviews-Osaka_Prefectural_Government_Office-Chuo_Osaka_Osaka_Prefecture_Kinki.html
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