四間道
しけみち □愛知県名古屋市





古い町並みが、動き出している。
「しけみち」と読むそのエリアは、歴史的な町並みが残る貴重な地区でありながら、現代的な感覚を取り入れたカフェやレストラン、居酒屋や雑貨屋が増えている今人気のスポットです。元々は一本の通りを指す名称でしたが、今ではそこから繋がる路地、町並みも含めたエリア全体で呼ばれることも多くなってきました。町並み自体は江戸時代の風情が香る景観ですが、それを巧くリノベーションしたモダンな店が多く、ハイセンスな雰囲気や料理が楽しめるところも増えています。

400年に渡って栄えた、繁華街。
徳川家康が名古屋城を築城し、清洲城から移ってきた、いわゆる「清洲越し」。それまで尾張の中心であった清洲から、都市機能を丸ごと移した、まるで遷都のような出来事でした。これによって発展の始まりとなった名古屋には、多くの役人や町人も移り住んできました。今の四間道のあたりには新しく堀が築かれ、運河として利用されます。それがゆえに商人が集まり、その後400年に渡って繁華街として栄えてきました。

白壁の土蔵が並ぶ、特殊な景観。
1700年の大火で約1600棟もの町屋が焼失したことがありました。その教訓を活かし、防火のために道幅を四間(約7m)に拡げて再建されたことから四間道と呼ばれるようになります。また防火壁の役割を果たすものとして石垣と土蔵が多く造られ、四間道の名古屋城側には土蔵が並ぶ特殊な景観ができました。その東側には美濃路を挟んで堀川となり、名古屋城を守る計画だったのかもしれません。太平洋戦争の名古屋空襲を免れたこの地域では、そんな古い町並みがそのまま残り、現代に受け継がれました。

クスノキが印象的な、浅間神社。
周辺の町域は細い路地ばかりですが、堀川七橋に数えられる五条橋から中橋まで、四間道は約260mに渡って確かに道が広くなっています。東側には土蔵が建ち並び、反対側には町屋が並びます。五条橋のあたりで円頓寺商店街と接していて、合わせて観光に訪れる人も多いです。中橋側には大きなクスノキが印象的な浅間神社があり、その向こうにある現代的な名古屋の街並みとの結界を示しているかのようです。

昭和感満載の、「円頓寺銀座街」。
四間道を歩いたら、必ずその細い路地にも入ってみてください。昔ながらの町家が点在して、中には屋根神様を祀る家も。屋根神様とは屋根の上に小さな社を設ける、尾張地方独特の風習です。また路地で結ばれる町並みの中にも、昔から続く老舗と古民家を改装した新しいお店が混在しています。
またその中間というか、劇的に昭和感満載の「円頓寺銀座街」も見ごたえたっぷり。思わず足を止めてしまう、昭和にタイムスリップしたような一角です。

観光で賑わう、その黎明期のような。
2000年代後半から、古びていた町の活性化に向けて官民一体となった取り組みの成果が表れているのだと感じました。そしてどこか、私が育ったならまちを思い出させる面影がありました。観光で賑わう、その黎明期のような。まだ古いままの、日常の四間道も残っているからです。そしてとても静かな町です。
いつか完全な観光スポットに変わってしまうかもしれません。しかし私は日常が、人々がこの地で続けてきた暮らしが目に見えて残るくらいがとても好きです。ならまちが変わってゆく最中に育った追憶なのかもしれません。でも確かに、今現在の四間道にはそんな魅力が溢れています。

photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 四間道 |
---|---|
所在地 | 愛知県名古屋市西区那古野1丁目 |
問い合わせ先 | 052-242-3262 | 四間道・那古野界隈まちづくり協議会 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | http://shikemichikaiwai.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/四間道 |
食べログ | ー |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298106-d1309831-Reviews-Shikemichi-Nagoya_Aichi_Prefecture_Tokai_Chubu.html |
LAST VISIT | 202405 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。