亀池
かめいけ □和歌山県海南市
桜の名所として名高い、風光明媚な池。
海南市ののどかな丘陵地帯に、亀池という溜め池があります。農業用水の確保のために造られた溜め池で、江戸時代の1710年に完成した人工池です。以来300年以上に渡って田畑を潤し続けている溜め池でもあり、その歴史的な意義からも「日本のため池100選」にも選ばれています。またその亀池の周辺は遊歩道や桜並木が整備され、亀池公園として親しまれています。特に桜は亀池の周りに約2000本も植樹され、この地域を代表する桜の名所として知られています。
訪れたのは4月の下旬で桜はもう終わってしまってましたが、その後に芽吹いた新緑がとても美しい時期でした。
見知らぬ人間にも、鯉たちは無邪気に。
亀池の北側にある駐車場に車を停めて、堤防を上ります。そこは広大な亀池の端っこにあたる部分ですが、水面をのぞけば人の気配を感じ取って集まってきたたくさんの鯉が泳いでいます。春のうららかな午後、初めて会った私のように見知らぬ人間にも鯉たちは無邪気に集まってきて可愛らしいものです。
そこから亀池を周遊できる遊歩道が始まっています。時計回りに歩き始めるとはじめは上り坂で、やがて藤棚がある広場に出ます。その先へしばらく歩けば、分かれ道。ここを右へ進みます。
静かな水面に、池の畔の新緑が映る。
階段を降りて行くと、やがて吊り橋が出てきます。吊り橋は亀池の中央にある、中島という小さな島へと繋がっています。この吊り橋、橋桁はグレーチングだけになっています。道路の側溝などでよく見る、鉄製の蓋です。なので歩き出してみると、下がスケスケに見えてなかなかにスリルがあります。さらに結構揺れるのです。
それにしても吊り橋からの景色は素晴らしいです。静かな水面に、池の畔の新緑が映り込んでいます。新緑は樹種によってさまざまな種類の色をしています。黄色がかった緑、濃い緑、明るい緑。緑色の色見本帳みたいな小山の間には、亀池の水を堰き止めている直線的な堤防。足元のスリルは全く忘れてしまって、その景色に夢中になります。
亀池のシンボル、中島と双雲閣。
吊り橋を渡った中島には、登録有形文化財である双雲閣があります。この建物は大正時代に建築されたもので、元々は紀州東照宮の近くにあった紀州徳川家の別邸を移築してきたもの。近くで見ると特筆すべきほどのインパクトはありませんが、池の畔から見た時の風景は趣きがあります。中島と吊り橋とともに、亀池のシンボルとして風景の主役を担っています。
ここにいる者は皆、平和と安穏を感じている。
一周約4kmの遊歩道を歩いていると、どんどんと心が癒されてゆきます。新芽の香り、鮮やかな花々、木々の向こうに見える水面、蜂も飛んでいますが全く怖くありません。ここにいる者は皆、平和と安穏を感じているのです。訪れる人も少なく、静か。とにかくゆっくりとした時間が流れています。亀池の水面には、そのゆっくりとした時間が溶け込んだように静寂を湛えていました。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 亀池 |
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所在地 | 和歌山県海南市阪井452 |
問い合わせ先 | 073-483-8460 | 海南市 まちづくり部産業振興課 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | ー |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/亀池 |
食べログ | ー |
トリップアドバイザー | ー |
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