鵬雲洞
ほううんどう □和歌山県和歌山市
廃線跡でもある、明治時代のトンネル。
和歌山市と海南市を隔てる小さな山があります。船尾山という標高153mの山です。国道42号線がその下を通っており、毛見トンネルが船尾山を貫いています。和歌山県南北移動の要である国道とあって、いつも交通量の多いトンネルです。
その道路トンネルの東側にもうひとつ、歩行者と自転車専用の小さなトンネルがあります。これが鵬雲洞です。
かつてここには、路面電車が走っていた。
鵬雲洞はもともと、路面電車が走っていた軌道用のトンネルでした。船尾山を初めて貫通したトンネルで、竣工は明治時代の1911年です。線路は複線だったため、昔の鉄道トンネルにしては幅が広いのが特徴です。1969年まで実際に路面電車が走っており、その後は紀三井寺緑道という遊歩道として利用されています。ここもいわゆる、廃線跡なのです。
歴史が染み込んだ、風格ある洞口。
トンネルの入口が大変立派です。イギリス積みのレンガ壁に、紀州青石を用いて装飾が施されています。北側には「鵬雲洞」、南側には「天開図画」と書かれた扁額が掛かっており、110年を超える歴史を物語るかのように渋さを纏っています。
長さは185mほど。3分ほどで通り抜けてしまいますが、トンネル内部の様子もまた見ごたえがあります。今はコンクリートが吹き付けられていますが元は素掘りだったそうで、その凹凸を拾った壁の表情も素敵です。あと鉄道トンネルらしく、退避用の空間も設けられていました。
ちなみに船尾山には4本のトンネルが通っていて、鵬雲洞をはじめとして明治、大正、昭和、平成とそれぞれの時代に造られたものだそうです。鉄道が中心だった時代から自動車にとって変わり、さらにその台数が増えていった交通の歴史変遷が分かるようで興味深いです。
降り積もっていたのは、桜吹雪。
それとこの日とても印象に残ったのは、鵬雲洞南側の緑道を埋め尽くしていた桜の花弁。緑道に沿って植えられている桜の木から、舞い落ちたようです。風が強い日で一斉に落花したのか、まだ瑞々しい状態の花弁があたり一面に敷き詰められていました。桜吹雪のあと、まるで文字通り雪が積もったかのような光景。ここまで綺麗に積もった様子は、あまり記憶にありません。その上を歩くのはなんだか申し訳ないような気になりました。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 鵬雲洞 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市毛見1414 |
問い合わせ先 | - | - |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | ー |
wikipedia | ー |
食べログ | ー |
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