梅田ダンジョン
うめだだんじょん □大阪府大阪市
日本一複雑と言われる、梅田の巨大な地下街。
誰が言い始めたか知りませんが、梅田ダンジョンなんて言い得て妙だと思います。ダンジョンとは元は城の地下牢を差す言葉だそうですが、日本ではドラクエをはじめとするRPGゲームから浸透し、地下迷宮という意味合いで理解されています。大阪キタの中心地である梅田には、まさにダンジョンのように複雑に入り組んだ地下街が広がっています。旅行や出張で来た人は、数日のうちにその全貌を知ることは出来ないでしょう。
たまたま私は通勤や仕事中の移動時に、梅田ダンジョンのどこかは毎日必ず通るのでほぼ全体が頭に入っていますが、それでもあまり行かない場所では逆向きに歩いてしまったりすることもあります。
そしてダンジョンと言われるだけあって、この広大な地下街にはその理由があります。
縦横斜め、複雑に入り組んだ地下道。
まずは梅田の地下街について知る必要があります。キタの中心地とされる梅田には、実は鉄道の駅が7つも集中しています。JR・大阪駅、阪急・大阪梅田駅、阪神・大阪梅田駅、地下鉄では御堂筋線・梅田駅、谷町線・東梅田駅、四つ橋線・西梅田駅、そして一番新しく1997年に開業したJR・北新地駅。これらの駅を、全て繋ぐように地下道が作られています。しかし例えば八重洲や栄の地下街みたいに、広くて真っ直ぐな地下道ではありません。縦横だけではなく、斜めの道がたくさんあるのです。さらに狭く、また途中で曲がる地下道も。
方向感覚と上下感覚の両方から、揺さぶられる。
また梅田の地下街には随所に高低差があります。坂道になっていたり、急に10段ほどの中途半端な階段が出てきたり。平面だけではなく、上下にも移動が多いのも特徴なのです。だから地下1階を歩いているつもりでも、知らないうちに地下2階を歩いているなんてことも起こってしまうのです。
方向感覚と上下感覚の両方から揺さぶられる梅田ダンジョン。まさに地下迷宮という言葉がピッタリです。
無数の商業ビルと、一体化している。
さらに梅田ダンジョン歩きを難しくさせているのは、地下道とも地下商業施設ともつかない、膨大なお店の数々。商業施設としての地下街と、商業施設のビルの地下階がごちゃ混ぜで、自分が今どちらにいるか、もはや分からないくらい区別がつかないことです。
前者の場合はホワイティうめだ、堂島地下センター(ドーチカ)、ディアモール大阪が代表格。後者の場合はもっと多く、阪神百貨店、阪急百貨店、大丸、ハービスプラザ、ハービスエント、ブリーゼブリーゼ、駅前ビルが第1から第4まで、イーマ、阪急三番街、ヨドバシカメラ、ヨドバシカメラ、リンクス梅田、グランフロント大阪、ルクア、ルクアイーレ、アバンザ堂島などなど、無数の商業ビルの地下階を巻き込んで一体化しているのです。
南北に約1.1m、東西にも約1.1m。
とにかく地下道と地下街とビルの地下階が渾然一体となっているのが、梅田ダンジョンの最大の特徴です。その範囲は、南北に約1.1m、東西にも約1.1m。色々調べていると数値には諸説あるようですが、全ての地下面積は40万㎡ほどもあるのだそう。全部歩いてそれなりにショッピングなんかしてしまえば、1日では足りないくらいです。
今回あらためて、商業施設は全て無視しながらただただ地下道を隈なく歩いてみましたが、それだけで10,000歩を超えてしまいました。
気分や目的によって、使い分ける。
そんな地下迷宮は、しかし魅力に溢れたパラダイスでもあります。ゾーンによって特色も色々で、気分や目的によって使い分けができます。最大であり歴史も長いホワイティうめだ、豪華な造りのディアモール大阪、オフィスの雰囲気も漂うドーチカ(堂島地下センター)。近年のリニューアルで大人気の阪急、阪神の百貨店。阪神百貨店地下にあるスナックパークは、昔から人気のイカ焼きの名店があることでも有名です。他にも劇団四季の本拠地があり文化的な香りもするハービスなど、それぞれの特徴を見て回るのも楽しいばかり。使いこなせたら本当に面白い地下ワールドです。
なんでもアリの、カオス的な地下街。
しかし私が一番好きなのは、第1から第4まである駅前ビルです。地元では略して「1ビル」「2ビル」などと呼ばれていて、1970年から順次開業したオフィスビル。駅前第3ビルは36階建で、1986年までは西日本で最も高いビルでした。
そしてそれぞれのビルの地下2層分が、広大な地下街になっています。飲食店を中心にパチンコ店、チケットショップ、雑貨屋、花屋、画材屋などもうなんでもアリのカオス的な地下街で、600店以上がひしめいています。そしてムンムンと香る、ザ・昭和の雰囲気。これがたまらなく、私を惹きつけるのです。特に駅前第1ビルと第2ビルは、まさに昭和時代から折り紙つきのサラリーマンの聖地。伝説の喫茶店「マヅラ」があるのは第1ビルだし、竣工当時から営業を続けている店も多く、とにかく語り出したら止まらない魅力が満載なのです。だからあらためて、駅前ビルについては記事にしたいと思います。
今はなき、でも記憶に残っている景色。
ちょっと脱線しかけましたが、梅田ダンジョンの話に戻ります。もうひとつ伝えたいのは、この地下街は常に変わり続けているということです。
今はもう無くなってしまった、でも記憶に残っている景色があります。待ち合わせのメッカだった、ホワイティうめだの「泉の広場」。阪神百貨店の横と言えば、嘘出張の味方「アリバイ横丁」。大阪駅から地下に入ってすぐの立ち飲み屋「松葉」。西梅田駅からJR大阪駅を結ぶ地下道にあった「トリックアート」。今はすっかり綺麗になくなってしまいましたが、記憶の中に残る人もまだまだ多いと思います。
まだまだ新しいステージが、加わってゆく。
そして梅田ダンジョンは、今日も絶えずアップデートされています。大阪最後の一等地と言われ、再開発が進むJR貨物北ヤード跡地。「グラングリーン大阪」として、緑豊かな駅前ゾーンが誕生します。JR大阪駅の南側では大阪中央郵便局が「JPタワー大阪」として生まれ変わり、大阪新阪急ホテルと阪急ターミナルビルの建て替えも計画されています。それぞれの再開発によって、梅田ダンジョンにも新しい変化があるはず。日本一複雑と言われる地下街は、まだまだ新しいステージが加わって難しくなってゆくのかもしれません。
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詳細情報
名称 | 梅田ダンジョン |
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所在地 | 大阪府大阪市北区梅田 |
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