京都文化博物館
きょうとぶんかはくぶつかん □京都府京都市
重厚かつ優美、風格に満ちた名建築。
江戸時代、京都で東海道の起点として賑わいを見せていたのは三条通。明治時代以降は銀行や郵便局や商社などが立ち並び、近代的京都のメインストリートとなりました。その中でも特に目立っていたのが、日本銀行京都支店。それは今の京都文化博物館別館です。烏丸御池駅の南東に、当時から変わらぬ威厳を誇って佇んでいます。以前から前を通り過ぎる度に気になっていたのですが、あらためて落ち着いて訪ねた時にようやく中に入ってみました。だから、この記事では国の重要文化財である別館を中心に紹介したいと思います。
京都の歴史文化は、壮大で奥が深い。
まず総論として、1988年に開館した京都文化博物館に触れたいと思います。たぶんその他の地域では郷土資料館とか歴史博物館として運営されているのが、京都では京都文化博物館になります。京都の歴史と文化の紹介を目的として、様々な史料や美術工芸品、あるいは映像が展示されています。他の地域の博物館もよく訪ねますが、やはり京都の歴史文化は比べるまでもなく壮大であり、また奥が深いものです。本館では2階と3階でそれが濃密に語られ、また4階以上ではテーマを絞った特別展や企画展が催されています。それらは常に、京都の重層的な歴史を表した見ごたえのあるものばかりです。
名実ともに、京都を代表する名建築。
でも今回一番紹介したいのは、敷地の南側に聳え立つ別館です。鮮やかな色の煉瓦造りの洋館で、元は日本銀行京都支店として建てられた堂々たる建物。国の重要文化財として指定された、名実ともに京都を代表する名建築です。
東京駅や日本銀行本店、大阪市中央公会堂など日本を代表する洋館建築で知られる辰野金吾氏とその弟子・長野宇平治氏が設計したもので、竣工は1906年。風格に満ちた外観は見る者を圧倒します。とてもなく頑強に見えるファサード。正面入口は重そうな鉄の扉で守られてドアは内側からしか開けられないなど、銀行としての建築が突き詰められています。外観は細部まで流麗で、細かな飾り意匠も秀逸。それでも全体としての重厚感を失わないのは、この建物の堂々たるシルエットのせいです。
美しく優雅な、銀行の意匠と趣き。
内部もまた圧巻の光景。いかにも銀行といった内装がそのままに残っています。二層吹き抜けの開放的な空間で、カウンターの付いた仕切りが客のスペースと奥の行員のスペースを隔てています。窓口ひとつひとつに意匠が施された鉄製の格子がはめられ、それが並ぶ様子は実に見ごたえがあります。旧唐津銀行を思い出します。
天井が高く、そこにも様々な装飾が施され、また壁には大きな窓が並び館内をとても明るく仕立てています。外から見た時には、こんなにも窓が多いとは思わなかったのに不思議です。
時代が変わっても、貴重な空間を活かす。
現在ではこの空間はホールとして利用されており、この日ももうすぐコンサートが開かれるようでした。レトロで優雅な空間、またそこにある古くからの時間の粒子を含んだ音色は、さぞかし美しいのだと思います。
他にも館内ではかつて旧文書課室、旧所長室、旧高等応接室だった部屋も、ギャラリーやショップとして再利用されています。また別棟になっている旧金庫室は喫茶店に。時代が変わっても貴重な空間を活かすことで、もっと長きに渡ってこの素晴らしい建物が保たれていくのです。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 京都文化博物館 |
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所在地 | 京都府京都市中京区東片町623-1 |
問い合わせ先 | 075-222-0888 | 京都文化博物館 |
休業日 | 月曜日、12月28日~1月3日 |
料金 | 一般:500円、大学生:400円、高校生以下:無料 |
駐車場 | - |
公式サイト | https://www.bunpaku.or.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/京都文化博物館 |
食べログ | ー |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298564-d321407-Reviews-The_Museum_of_Kyoto-Kyoto_Kyoto_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 202401 |
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