アポロ・焼カレー

まさかの正体は、焼きめし＋カレー。

数年前にたまたま店の前を通り過ぎて以来、ずっと気になっていた謎のメニュー「名物焼カレー」。店先には大きな看板があって堂々と掲げられているその文字がインパクトありすぎて、和歌山ラーメン巡りをしながらもずっと気になっていたお店でした。その店の名はアポロ。和歌山城の北側、市役所など官公庁が建ち並ぶ一角にあるお店です。

ありそうでなかった、予想外の組合せ。

焼きカレーといえば、ライスにカレーをかけてチーズなんかを乗せてオーブンで焼いたものを想像しますが、アポロの焼カレーは全くの別物です。焼きめし＋カレーなのです。予想外の組み合わせにびっくりしますが、私としては好物同士が合体していてとても興味が湧きます。
メニューは壁に書かれているのみですが、和歌山中華そばからハンバーグ、ナポリタン、焼きそばと、和洋中なんでもござれのラインナップです。

見事に半々の、焼きめしとカレー。

当然今回の目的は焼カレーですので、唐揚げがトッピングされたものを注文します。比較的すぐに出てきましたが、横長のカレー皿に、見事にチャーハンとカレーが半々に入っています。端っこの紅生姜が、色のバランスを整えています。
チャーハンはパラパラで、あっさりした味付け。カレーは10時間煮込んだものだそうで、甘味と酸味が絶妙にブレンドされて美味です。そしてそれを一緒にいただくという奇跡。まさかのコンビですが、これが意外に相性が良いのです。初めはカレーのスパイシーな風味が広がり、次にチャーハンの旨味が顔を出してきます。一瞬、どちらを食べているのか分からなくなる時がありますが、それこそがアポロ名物の焼カレーなのです。

和歌山B級グルメの、裏名物として。

実は創業70年にもなる老舗。先代から店を受け継いだ時、その当時話題だった宇宙船アポロから店名を付けたそうです。ということは、もう50年くらいになるのでしょうか。
昔は目の前に和歌山医科大学があり、忙しい医師からの出前でサクッと食べたいと要望があり誕生したメニューなんだそうです。やがて看護師や医学生の間でも評判となり、アポロの名物メニューとして定着したのだとか。今では和歌山B級グルメの裏名物として、知る人ぞ知るメニューとなったわけです。

メニューも多いし、そして安さも魅力。

店内は意外と広く、カウンター席が少しと、10卓ほどのテーブル席があります。店に入ったのは正午前だったのでまだ空席がありましたが、さすが官公庁街、正午の昼休みになると測ったようにお客さんの流れがやってきて、一瞬にして満席になりました。メニューも多いし、そして安さも魅力。毎日通っても飽きないかもしれません。最近仕事の都合で和歌山を訪ねる機会が多いので、また訪問してみたいと思います。

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