紅葉渓庭園
もみじだにていえん □和歌山県和歌山市
御橋廊下も必見、紅葉で有名な庭園。
和歌山城が聳え立つ虎伏山の北麓、城の歴史と独特の地形によって個性が際立つ日本庭園があります。西之丸庭園は通称「紅葉渓庭園」と呼ばれる国の名勝で、その名の通り晩秋には紅葉の名所として親しまれている庭園です。江戸時代初期、当時の紀州藩主だった徳川頼宣によって造られた大名庭園で、一時期は荒廃したものの復興され、長い歴史の中に佇んでいます。今回は青モミジが美しい初夏に訪ねました。
ふたつの池と、風流な「鳶魚閣」。
和歌山城の広大な城域のうち、紅葉渓庭園は北西の隅に位置します。和歌山市駅からのアクセスだと城に到着してすぐの場所になります。入場は無料で、散策の途中でも気軽に見学することができます。
庭園内には、山の斜面をそのまま活かした高低差があります。中央部分と東側がくぼんでいて、そこにはふたつの池があって繋がっています。水は虎伏山から降りてくる湧水で、ひとつ目の池へ滝として注いでいます。池の中央にある舟の形をした「御舟石」が、景観のアクセントになっています。橋を挟んで二つ目の池は、内堀の一部を庭園に取り込んだもの。静かな水面と、そこに浮かぶ「鳶魚閣」という建物が風流な景色を作り出しています。奥には後ほど紹介する御橋廊下も見えて、優美な雰囲気です。
透き通るような緑、無数のアオモミジ。
それらの池を中心として、庭園内には無数のモミジが植えられています。初夏の日差しを浴びて、透き通るような緑の葉を広げています。また池にはその様子が映り込み、視界は緑で埋め尽くされるのです。これが紅葉だったら、またより一層風雅な景色となるに違いありません。
庭園内には紅松庵という茶室があり、これは和歌山出身でパナソニックの創業者である松下幸之助氏が1973年に寄贈したもの。青モミジや紅葉を眺めながら風流なひとときをすごせます。
全国的にも珍しい、斜めの「御橋廊下」。
そしてもうひとつの大きな見どころは、御橋廊下です。紅葉渓庭園がある西の丸と、内堀で隔てらた二の丸を結ぶように架けられた橋で、堀から8本の脚が支えています。2006年に復元されたもので、長さ27mで両端の高低差が3mほどあるため、橋全体は斜めに架かっています。このような構造は全国的にもかなり珍しいのだそう。また全体が箱のように屋根と壁で覆われ、いくつかの窓が並んでいます。だから「橋」ではなく、「廊下」として考えられてきたようです。
橋という印象はなく、渡り廊下を歩く感覚。
江戸時代には紀州藩主とその付き人しか渡ることが許されなかったそう。今は誰でも自由に渡ることが出来ます。内部に入ってみるとなるほど、橋という印象は全くなく、渡り廊下を歩く感覚です。しかし全体に勾配があり、床は下見板張りの板壁を敷いたように造られています。滑らないようにと考えられた構造ですが、靴を脱いで渡らなければならないためスリッパがないと逆に痛くて歩きにくい感じ。でも他では見かけない珍しい空間は趣きがあって、時折窓から眺める堀の様子も風流。単なる屋根付きの橋とは、一言で言えない魅力がありました。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 紅葉渓庭園 |
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所在地 | 和歌山県和歌山市一番丁3 |
問い合わせ先 | 073-431-8648 | 茶室 紅松庵 |
休業日 | 年末年始(12月29日~1月3日) |
料金 | - |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | http://wakayamajo.jp/index.html |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/和歌山城西之丸庭園 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298204-d8728836-Reviews-Momijidani_Garden-Wakayama_Wakayama_Prefecture_Kinki.html |
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