奈良縣護国神社
ならけんごこくじんじゃ □奈良県奈良市
高円の杜に囲まれて、特別な存在感。
奈良盆地の東部、高円山の麓に鎮座する奈良縣護国神社。田畑と住宅が広がるその境目の森の中に、立派な本殿が悠然と佇んでいます。拝殿前には大きな芝生の広場があり、開放的な雰囲気があります。またそれが古そうな背の高い森の木々に囲まれていて、独特の神聖さというか、特別な雰囲気の空間を創り出しています。そこに西陽が差し込み、緑の芝生と拝殿を明るく照らし出しています。背景には、10月を迎えて少し寂しくなった東の空。その対比が美しい、初秋の護国神社です。
質実として、清らかな印象。
境内は「高円の杜」とも呼ばれる豊かな森の中にあります。風に木々がざわめき、小鳥が囀る美しい森です。椿の名所ともなっていて、境内に約1万本。春先には毎年「椿祭り」も催されています。
正面の鳥居から長い階段を登ったところに、ぽっかりと開けた広場があります。真正面に拝殿と本殿が鎮座し、その左側には戦没者慰霊塔が聳え立っています。どちらも質実として清らかな印象があります。護国神社ですから、祭神は日本国のために殉死した方々の御魂です。戦没者を中心に、公務で殉職した方など、約3万柱が祀られています。
なぜか、そこまで遠い過去に思えないのは。
奈良縣護国神社が造営されたのは、大戦中の1942年。空襲などの被害はほとんど無かった奈良県ですが、国外の戦場で戦火に散った兵士達は少なくなかったのです。私の祖父のように無事に再び奈良の地を踏めた兵士もいれば、ここにある英霊として故郷の地に戻らなければならなかった兵士も多かったのです。もう80年近くも昔のことなのに、そこまで遠い過去に思えないのは、私の世代くらいまでなのでしょうか。祖父の話を聞いた、昭和時代の思い出が蘇ってくるようでした。
現地の寺院を模した、ビルマの塔。
また境内の南端には、ビルマの塔と呼ばれる慰霊碑があります。これは大戦中でも激戦地であったビルマ(現在のミャンマー)戦線で戦死した約3,000名の奈良出身者を弔った慰霊碑。パゴダと呼ばれる、現地の寺院を模した外観が印象的です。
ちょっとだけ遠い場所を、巡ってみたら。
奈良縣護国神社は、実は私の実家からそう遠くはありません。歩けば30分かからない程度。でも47歳にして初めての参拝でした。なぜならギリギリ校区ではなかったから。小学生や中学生の時って、自分の校区から外に出ることなんて、実はほとんどなかったのです。いわば自分の世界のすぐ外にあった神社。近くて遠いというか。だから思いました。あの頃行けなかった、ちょっとだけ遠い場所を巡ってみたら。ほんとに些細なことですが、少し楽しみが増えたような気がしました。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 奈良縣護国神社 |
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所在地 | 奈良県奈良市古市町1984 |
問い合わせ先 | 0742-61-2468 | 奈良縣護国神社 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://www.naragokoku.com/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/奈良縣護国神社 |
食べログ | ー |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298198-d20352948-Reviews-Nara_Gokoku_Shrine-Nara_Nara_Prefecture_Kinki.html |
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