帯解寺
おびとけでら □奈良県奈良市
全国から参拝を集める、安産祈願の寺。
奈良市の郊外、田畑の合間に集落が点在するエリア。その集落のひとつの中に、日本最古であり、最強とも言われる安産祈願の名刹があります。成り立ちからして子授けの逸話からはじまり、現代でも皇族の安産祈願が行われるほど、絶大な信仰を集めるお寺なのです。それが帯解寺。「おびとけでら」と読み、寺号は後に述べる故事に由来します。
家並みの中に、ひっそりと佇む。
帯解寺は小さなお寺です。静かな古い住宅街にひっそりと佇んでいます。案内板がなければ、隣に並ぶ家並みの中に紛れてうっかり通り過ぎてしまうかもしれません。訪ねたのは平日の夕方、町そのものがひっそりとしています。複数の駐車場がありますが、自分の一台だけが停まっています。
山門をくぐるとすぐ正面に本堂があります。1858年に再建されたものだそうですが、それ以上の古さも感じられる風格があります。本尊は鎌倉時代の地蔵菩薩、一般に帯解子安地蔵と呼ばれ、国の重要文化財にも指定されています。
3代家光、4代家綱、皇族の安産祈願も。
帯解寺が安産祈願の寺として有名になったのは平安時代初頭。第55代文徳天皇の妃である染殿皇后が長年世継ぎに恵まれなかったところ、本寺で祈願したところ後の清和天皇を授かったそうです。それまでは霊松庵という別の寺の塔頭でしたが、文徳天皇によって伽藍が建立され、帯解寺と名付けられました。「無事に腹帯が解けて安産できた」ことに由来するそうです。
帯解寺はその後も安産祈願の名所として全国から参拝を集め、江戸時代は徳川家にも知られます。3代家光、4代家綱も帯解寺で安産祈願ののちに生まれたといいます。また現代でも美智子皇后、雅子皇后をはじめ、高円宮、秋篠宮など錚々たる皇族の方々も帯解寺で安産祈願を行っているのだそうです。
幸せが訪れるように、願う気持ち。
そんな帯解寺ですが、境内は至ってシンプルです。ほんとにどこの町中にもある小さなお寺といった佇まい。本堂の他には鐘楼、石造の十三重塔などがありますが、いずれも簡素なものです。境内の片隅には小さな地蔵がたくさん並んでいて、そこではどれもが可愛らしく色とりどりの頭巾を被っています。でもそこは水子供養の場。安産とはまた違った帯解寺の側面もまた、あることを知りました。
帯解寺を去る時にようやく、一組の夫婦らしき方とすれ違いました。おそらく、安産を願う夫婦なのだと思います。帯解寺の山号は子安山。この寺を参拝する全ての人たちに、幸せが訪れるように願う気持ちが湧き出てきた瞬間でした。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 帯解寺 |
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所在地 | 奈良県奈良市今市町734 |
問い合わせ先 | 0742-61-3861 | 帯解寺 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://obitokedera.or.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/帯解寺 |
食べログ | ー |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298198-d2463624-Reviews-Obitoke_Temple-Nara_Nara_Prefecture_Kinki.html |
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