斑鳩寺
いかるがでら □兵庫県揖保郡太子町
聖徳太子との所縁が深い、播磨の古刹。
姫路市の隣に、太子町という町があります。太子というのは聖徳太子から来ているもので、歴史上ゆかりの深いエリアです。その町の古刹が、斑鳩寺です。実は奈良の法隆寺があるのが斑鳩町。その結び付きがとても強そうなことが分かります。その因縁を学びに、また新西国三十三所の巡礼にて斑鳩寺を訪れました。
ちょうどこの日は境内で蚤の市が開かれていて、昔ながらのお寺と人々の関わりを見るかのような賑わい。なんだか特別な光景に出会えた気がして心地よかったものです。
1400年以上もの、歴史を刻む古刹。
斑鳩寺が創建されたのは606年。聖徳太子が法隆寺の別院として建立したと伝わり、1400年以上もの歴史を刻む古刹です。また周辺には鵤荘(いかるがのしょう)と呼ばれる法隆寺の荘園が作られ、その中心的な役所みたいな機能も果たしていたといいます。
最盛期には七堂伽藍と数十の坊庵を誇る大寺院だったそうですが、室町時代に戦乱の中で灰燼に帰す悲劇がありました。しかしその後少しづつ復興され、現代に至ります。
軒裏の木組みが圧巻、重文の三重塔。
再興されてからは、斑鳩寺は安泰に保たれてきたようです。境内には古い堂宇がたくさんあります。国の重要文化財である三重塔をはじめ、聖徳太子を祀る聖徳殿前殿、境内の中央に佇む講堂、鐘楼はいずれも1500年代に再建されたものです。特に三重塔はバランスのとれたシルエットと、朱塗りが映える美しさで必見。軒裏の木組みも圧巻のものがあります。
本尊は釈迦如来・薬師如来・如意輪観音で、3像は講堂に安置されています。2月22日、23日の太子忌にのみ開帳される秘仏となっています。
法隆寺夢殿を模した、聖徳殿後殿。
もう一つ、斑鳩寺の境内で目を引くのが聖徳殿後殿です。法隆寺の夢殿を想起させる、八角形の建物。3層の八角形屋根が重なる独特の外観で、しかもかなりの大きさ。大正時代に建てられたもので斑鳩寺の歴史の中ではごく新しいものですが、それでも100年以上の時を経て十分な風格を放っています。
また聖宝殿と呼ばれる宝物館には、木造聖徳太子立像など国の重要文化財仏像10体をはじめ、勝鬘経講讃図、二十五菩薩面等などの多くの美術品も収蔵されています。
太子信仰の象徴、「お太子さん」。
斑鳩寺は創建後約1000年は法隆寺の別院でしたが、再建後の江戸時代以降は天台宗の寺院となり法隆寺を離れました。それでも夢殿をオマージュした建物が後世に建立されたり、3つある聖徳殿、また町名も寺号も聖徳太子にゆかりがあるものだし、法隆寺との密接な繋がりは今も強いことを感じます。この地方の太子信仰の核心でもあり、地元では今も「お太子さん」と敬愛の念を込めて呼ばれているのです。
寺が遊び場だった、昔の日本のように。
それにしてもこの日は境内にはテントがたくさん並び、多くの人で大変な賑わい。三重塔のすぐ横で火を使う屋台が出ていてちょっとびっくりしましたが、とにかく境内全体が活気付いています。走り回る子供たちを見ていると、寺が友達との遊び場だった昔の日本の風景を見るようで。別に私自身にそういう体験があるわけではないですが、境内に響く子供たちの歓声は、なんだか懐かしい気持ちにさせてくれました。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 斑鳩寺 |
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所在地 | 兵庫県揖保郡太子町鵤709 |
問い合わせ先 | 079-276-0022 | 斑鳩寺 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 有料駐車場 |
公式サイト | http://www.ikarugadera.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/斑鳩寺_(兵庫県太子町) |
食べログ | - |
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