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書写山圓教寺 書写山圓教寺

書写山圓教寺

しょしゃざん えんきょうじ □兵庫県姫路市
公式HPwikipediaトリップアドバイザー食べログ西国三十三所
オススメ度

圧倒的な威厳に満ち満ちた、完成された別世界。

ずいぶん以前から行きたいと思っていた書写山・圓教寺。あちらこちらで目に入る圓教寺の写真が非常に魅力的に映り、気持ちを揺さぶられていたからです。それほど遠くない場所にあるのになかなか訪ねる機会がなく、今回ようやく数年来の期待を満たすことができました。
圓教寺は姫路城から北西へ数kmほどにある、標高371mの書写山山頂一帯に広がる大きな寺院です。西国三十三所観音札場の27番であるんですが、最大の規模を誇るそうです。その境内の様子から「西の延暦寺」とも言われ、古くから多くの信仰を集めてきました。
圓教寺は山の上にあります。登山道のような参道は今もあるのですが、専用のロープウェイで登るのが一般的。麓の駅から、ほんの数分で境内まで到着です。ロープウェイのゴンドラの中から、また山頂駅の建物の屋上テラスからは、姫路の街はもとより、淡路島や瀬戸内海に浮かぶ島々、遠くは四国までパノラマで見渡せ、この眺望は必見です。

書写山 圓教寺

「西の延暦寺」とも言われ、西国三十三所の中でも最大の規模を誇る。966年、性空上人により創建。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

境内にはロープウェイで山を登る。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

境内の入口となる「仁王門」。

初夏を見つけた、鳥の声がこだまする。

ロープウェイから降りてすぐに始まる参道を進めば、自由に撞くことができる梵鐘があります。山頂駅に着くとさっそく鐘の音が何度も聞こえていたのですが、参拝客が次々に撞く音なのでした。
その鐘からすぐに、圓教寺の山門があります。ここからは急な坂道が始まります。山の中の道なので、歩きやすい靴が必要です。ところどころに苔むした岩壁や鬱蒼と茂る古木があったり、また土の参道には木漏れ日が揺れ、初夏を見つけた鳥の声がこだまする。豊かな自然に包まれた別世界といった趣きがあります。今は5月、弾けるような新緑が目に眩しい季節ですが、圓教寺は紅葉の名所としてもかなり有名。またその季節に来たいと感じながら、歩みを進めます。

書写山 圓教寺

ロープウェイ降りてすぐにある「慈悲の鐘」。自由に撞くことができ、山中に美しい音が響き渡る。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

14世紀に再建、国の重文の「鐘楼」。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

境内の参道は豊かな緑に包まれている。

緑の雲に浮かぶ天上の本堂、摩尼殿。

圓教寺は天台宗の寺院。966年、性空上人の創始と言われます。九州で修行し、霊地を求めた旅でたどり着いた書写山に、立派な桜の木を見つけ、それに像を刻み、祀る堂を建てたのが始まりとされます。その建物が圓教寺の本堂である摩尼殿。ガイドブックなどでよく目にする、圓教寺の中でも最も有名である建物です。清水寺と同じような舞台造と呼ばれる建築で、割れんばかりのボリュームの緑に抱かれた見事なお堂です。堂の袂にある「はずき茶屋」という小さな茶屋あたりから見上げるアングルが、摩尼殿のベストショット。緑の雲に(秋には紅葉の雲に)浮かぶ天上のお堂は、一度見たら忘れられない、神々しき存在感で鎮座しています。

書写山 圓教寺

圓教寺のハイライト、崖上に建つ壮大な本堂である「摩尼殿」。1933年の再建だが国の重要文化財に指定。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

「はづき茶屋」前から見上げるのがベストアングル。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

摩尼殿から見下ろす森と「はづき茶屋」。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

書写山からは随所で雄大な眺望が見られる。

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奥の院にある「不動堂」。

三つのお堂がコの字に並ぶ、独創的な三之堂。

現在の摩尼殿は度重なる火災を経て、本尊の六臂の如意輪観音坐像とともに昭和初期に再建されたものですが、先代の摩尼殿を忠実に再建されているそうです。ラッキーなことに、この日は圓教寺の特別公開がされていて、本尊の左右に並ぶ、普段は見ることができない四天王立像が開帳されていました。これらは創建当時の作ということで、貴重な機会に感謝。僧侶しか入ることが許されないという堂内を巡ることもできました。
摩尼殿をさらに奥に進むと、書写山のハイライトのひとつである三之堂があります。三之堂は大講堂、食堂、常行堂という三つのお堂がコの字に並ぶ、寺としてはあまり見ない配置になっています。三堂はそれぞれかなりの大きさなので、囲まれた広場も相当広い空間になっています。ひと足踏み入れるとその壮大さに全身が包まれて、どこかの別世界に身を置くような感覚があります。大講堂には釈迦如来坐像、常行堂には阿弥陀如来坐像が鎮座し、圓教寺の中枢を成します。また食堂では文化財の展示があり、貴重な史料がすぐ目の前に並びます。また1階では写経が体験でき、この度もせっかくだから実践。般若心経を全部書き写すものと、短いお教を書き写す2種類が用意されていて、滞在時間に合わせて参加できます。

書写山 圓教寺

圓教寺のもうひとつのハイライト「三之堂」。「大講堂」「食堂」「常行堂」の三堂がコの字に広場を囲んでいる。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

「大講堂」の軒。組物の凄まじい迫力。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

大講堂に向き合う「常行堂」。鎌倉時代の再建。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

「食堂」では2階に上がることもできる。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

「食堂」で体験できる写経。

重文のオンパレード、圓教寺の懐はまだまだ深い。

また、三之堂のそれぞれの建物がかなり立派なことにも感銘。どれも重要文化財に指定されている貴重な建築ですが、中でも食堂の造りは異彩を放ちます。かつて訪れたことのあるネパールの寺院をちょっと思い出したのですが、広場に面したすべての壁が取り外せるようになっていて、どこか西方の異国を感じさせる様式です。
また驚くなかれ、三之堂のさらに奥にも小さなお堂がいくつもあり、重文のオンパレードなんです。圓教寺の懐はまだまだ深いのです。鐘楼が緑の中に静かに佇み、朽ちかけた小さな東屋があり、または数百年の月日を超えてなお美しいお堂があり。そして境内の一番奥に奥の院が控えているのです。

書写山 圓教寺

三之堂の横には姫路城主本多家の廟所が建ち並んでいる。

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奥の院にある国の重文「護法堂乙天社」。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

「摩尼殿」への入口付近。

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「摩尼殿」でも華麗な組物が見られる。

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「大講堂」の内陣。重文の釈迦如来を安置する。

密教的な、また山岳寺院的な独特の雰囲気。

奥の院にある全ての建物が重文、護法堂・乙天社・若天社が並び、向かいには護法堂拝殿、一番奥に開山堂と、五つの堂宇がギュッと集まっています。とくに開山堂は最も見ごたえのある堂。性空上人の像が安置されているんですが、鎌倉時代に一度焼けてしまったのだそう。しかし木像の内部に納められていた瑠璃壺に性空上人の遺骨が入っており、それは焼け残り、今こうして見られる再建の像にもおさめられたと伝えられてきたそうです。でもそれはあくまで伝承であって、真偽は不明だったのですが、2008年にレントゲン撮影すると確かに頭部に納められていたそうです。700年の時を超えて確かめられた歴史ロマンです。そのレントゲン写真も、この開山堂で見ることができます。
いやはや、広大な境内の中、数え切れないくらいの見どころがある書写山・圓教寺。密教的な、また山岳寺院的な独特の雰囲気に終始包まれていて、数々の映画やドラマのロケ地として有名なのも納得できます。予約をすれば坊に宿泊したり、また精進料理もいただけるとのこと。季節を変え、また目的を変え、何度も訪れる楽しみ方も、ここ圓教寺ならではの魅力です。

書写山 圓教寺

広大な境内に数え切れないくらいの見どころがある書写山圓教寺。密教的な、また山岳寺院的な独特の雰囲気に終始包まれている。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

「食堂」では様々な宝物の展示もある。

書写山圓教寺 書写山圓教寺

「摩尼殿」の高欄越しに見る緑。

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アクセスマップ

詳細情報

名称 書写山圓教寺
所在地 兵庫県姫路市書写2968
問い合わせ先 079-266-3327 | 書寫山圓教寺本坊寺務所
休業日 無休
料金 大人:500円
駐車場 無料駐車場
公式サイト http://www.shosha.or.jp/
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/圓教寺_(姫路市)
食べログ -
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298191-d1758804-Reviews-Shoshazan_Engyoji-Himeji_Hyogo_Prefecture_Kinki.html
LAST VISIT 202009                         

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