桃林寺
とうりんじ □沖縄県石垣市
石垣島最初の仏教寺院、400年以上の古刹。
琉球王国時代の1614年に八重山列島で初めて創建された仏教寺院、桃林寺。仏教のお寺といえども琉球伝統の建築を色濃く感じる堂宇で、その独特の雰囲気が魅力的な寺院です。石垣島の市街地にありアクセスしやすく、そこそこの広さの参拝者用駐車場もあるのでレンタカーでも行きやすい観光スポットです。石垣島といえばやはりリゾートや豊かな自然の見どころが多い中、歴史的なスポットというのは珍しく感じます。400年以上の古刹桃林寺を、朝からの雨が止み日が差し始めた昼下がりに訪ねました。
赤瓦が特徴的な山門と、奇跡の仁王像。
桃林寺の境内を取り囲むのは、いかにも沖縄らしい琉球石灰岩の石垣。経年で黒っぽく変色した石垣は、上部が丸みを帯びた伝統的な形状です。その石垣の真ん中あたりに建つのが、赤瓦の屋根が特徴的な山門。そして山門の左右に安置されているのが、1737年に作られた沖縄最古の木造彫刻と言われる2体の仁王像です。激しい表情をした仁王像ですが、よく見るとけっこう傷みがあります。実は18世紀、大地震で起きた津波で一度は海まで流されてしまった時についた傷なのだそう。人々が悲嘆に暮れていたところ、この場所からかなり離れた島北西部に流れ着いたところを発見されたという奇跡が伝えられています。
琉球伝統の建築を、色濃く感じる本堂。
境内はそれほど広くはありません。山門をくくればすぐ正面に本堂があります。こちらも赤瓦の屋根が印象的。均整の取れた屋根がどっしりとした安定感をもたらしています。
また境内の奥にある亜熱帯植物の森の中にあるのが権現堂。桃林寺を代表する建物で、国の重要文化財です。寄棟造りの拝殿の奥に、赤色が目を引く神殿があります。赤瓦の屋根の上には2匹の龍と宝珠の焼き物が据えられていて、神秘的な雰囲気を漂わせています。御神体は1772年に鋳造されたという銅鏡で、沖縄で最古のものといわれます。
亜熱帯植物に囲まれた、独特の世界観。
境内の景観は、明らかに本土で見る日本古来の寺とは違います。琉球伝統の建築物と、日本の仏教文化が融合した稀有のものです。それだけに石垣島に来たら必ず訪れたいスポットだと思います。さっきまで雨に濡らされた亜熱帯植物に囲まれて、桃林寺の境内はもはやどこの国にいるのがも分からなくなるくらい独特の世界観があります。
また仁王像が奇跡の復活を遂げたように、桃林寺の堂宇も津波や戦災を乗り越えて再建や改修され今に伝わるといいます。そのようなことから桃林寺は厄除けや起死回生のご利益を授かれるパワースポットとしても注目されているのだとか。そして実は石垣島では唯一、お守りやおみくじがいただける場所なのだそう。石垣島の人々にとっても、私のような旅の者にとっても、桃林寺は非常に貴重な存在なのです。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 桃林寺 |
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所在地 | 沖縄県石垣市石垣285 |
問い合わせ先 | 0980-82-2142 | 桃林寺 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/桃林寺_(石垣市) |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298223-d2548309-Reviews-Torinji_Temple-Ishigaki_Okinawa_Prefecture.html |
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