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山王神社 山王神社

山王神社

さんのうじんじゃ □長崎県長崎市
公式HPwikipediaトリップアドバイザー食べログ日本の音風景100選
オススメ度

悲劇を語る、一本足鳥居と被爆クスノキ。

山王神社は長崎市の浦上地区にある神社。坂の多い住宅地にあり、古くから地元の人々に愛されてきた神社です。規模的にはそれほど大きくはなく、もしあの原爆がなかったら、今ほど観光客が訪れることもなかったかもしれません。でも1945年8月9日、原爆は投下され、山王神社には80年近く経った今もなお残る傷を負ってしまったのです。
爆心地から約800mにある山王神社は原爆により壊滅的な被害を受け、社殿は全壊し、周辺は焼け野原となりました。しかし長崎の街が懸命に復興を進める中、5年後には再建。以降は被爆を伝わる語りべとしての役割も担っています。

山王神社

今に至るまで、片足で立ち続ける鳥居。

山王神社には2つの有名な特徴があります。ひとつは「一本柱鳥居(二の鳥居)」。爆風により破壊された石の鳥居ですが、片方の柱だけは倒壊を免れ、今に至るまで片足で立ち続ける鳥居です。神社へ向かう石段の途中にあり、その姿は痛々しいものがあります。近くの地面には倒れてしまった方の柱が安置されていて、当時の写真も掲示されています。山王神社には4つの鳥居があったそうですが、一の鳥居とこの二の鳥居がかろうじて倒壊を耐えたそうです。その後一の鳥居が事故で倒壊してしまったため、今は唯一残る鳥居となっています。他のどこにも見ることがない片足の鳥居。原爆の被爆建造物として、訪ねる者に平和の尊さを伝えています。

山王神社

山王神社のクスノキは、長崎復興の象徴。

もうひとつ山王神社を有名にしているものが「被爆クスノキ」です。境内入口の左右にある、大変立派な2本のクスノキ。樹齢はそれぞれ400年から500年と言われます。しかしその長い年月の中で、原爆という災禍がクスノキを襲いました。熱線と爆風により枝葉は吹き飛び、幹も黒焦げになったといいます。しかしクスノキは2本とも奇跡的に息を吹き返し、爆風を受けた反対側から枝葉をつけ始め、最終的には見事に緑に満ちた大木に蘇生したのです。その姿に長崎の人々は勇気づけられ、諦めない気持ちを育みました。東日本大震災の奇跡の一本松のように、山王神社のクスノキは復興の象徴となったのです。またクスノキを通り過ぎてゆく風が奏でる葉音は、平和を象徴する音として日本の音風景100選にも選ばれています。

山王神社

境内を満たす、安息の雰囲気。

今、被爆クスノキが迎え入れる境内には、安息の雰囲気が満ちています。境内の広場は隣にある幼稚園の運動場を兼ねているようで、元気に遊ぶ園児たちがより一層平和な世界を演出していました。帰り道にもう一度一本柱鳥居を通った時、そこには一匹の猫がいました。坂の多い町には猫が多い気がします。人懐っこい、白黒のまだらの猫。片目がどうしても開かないようでしたが、鳥居の遺構の上をのんびりと歩いています。しばらく撫でて、鳥居の前で一緒に日向ぼっこ。今山王神社にあるのは、このような安穏の日々なのです。

山王神社

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称 山王神社
所在地 長崎県長崎市坂本2-6-56
問い合わせ先 095-844-1415 | 山王神社
休業日 年中無休
料金 -
駐車場 -
公式サイト https://sannou-jinjya.jp/
wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/山王神社 (長崎市)
食べログ -
トリップアドバイザー https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298568-d18193397-Reviews-Sanno_Shrine-Nagasaki_Nagasaki_Prefecture_Kyushu.html
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