天王寺七坂
てんのうじななさか □大阪府大阪市
古き歴史が薫る、七つの坂道。
大阪の歴史をすべて見つめてきた上町台地のハイライトといえる天王寺〜上本町界隈。かつてここは海に突き出した岬であり、難波宮が置かれ、大道が通り、寺社仏閣が集積した場所でした。とくに今の谷町筋から西側は、北は生國魂神社から南は安居神社まで、ずらりとお寺や神社が立ち並びます。そしてその西側は大きく地面が落ち込んで崖になっていて、昔はここまで海があったことを示しています。夕陽の名所だったことから、このあたりは夕陽丘という地名となりました。
安居神社の横を上る、天神坂。
そしてそれらの寺社仏閣を縫うように、台地から西へ、いくつもの坂道が存在しています。それらを総称して、天王寺七坂と呼ばれています。じっくり全部歩けば約2時間ほどでしょうか。それぞれに名前がつけられ個性的な風情を持つ7つの坂道を、南から北上するように散策しました。
最も南にあるのは、主要幹線道路の国道25号線になっている「逢坂」。一心寺と安居神社に挟まれた坂道です。さすがにこの坂にはあまり風情はありませんが、途中には石標や立札があり、これから始まる道中への期待を感じさせます。次の坂は「天神坂」。安居神社の別名・安居天神から来ている名称です。清水の出る神社であることから、石畳の道の脇には水が流れるあしらいがしてあります。
真言坂は、唯一南北に伸びる坂道。
3つめの坂は「清水坂」。坂の上にある清水寺にちなんだ坂で、こちらは舗装された階段になっています。清水寺からの眺望はおすすめです。そして次の坂は「愛染坂」。愛染さんとして親しまれている勝鬘院がある坂道です。5つめの坂は「口縄坂」。大変雰囲気のある坂道。坂下側は寺の土塀が続き、途中からは階段になりますが、全部石畳になっています。6つめの坂道は「源聖寺坂」。石畳が敷かれている道で、最後の急な登りはカーブを描いて石段になっています。そして7つめのさかは、生國魂神社の北側にある短い坂で「真言坂」。この坂道だけは南北に伸びる通りになっています。
最も風趣を感じる、口縄坂。
1番おすすめの坂道は「口縄坂」を挙げたいです。口縄とは古い大阪の言葉で蛇を指すそうです。坂の下から見た様子が蛇に見えることからその名がつきました。実際はほぼ蛇のようには見えないのですが…。しかし石畳の風景や、道幅が急に狭くなる石段など、七坂の中でも最も風趣を感じる坂道です。坂下にある称名寺や途中にある善龍寺、また坂上にには珊瑚寺と浄春寺があり、口縄坂には一貫して寺町情緒が漂っているのです。春には善龍寺の境内から口縄坂にはみ出して咲く桜もまた、この坂道の名物でもあります。
歴史上の人物にまつわる、碑や墓なども多い。
天王寺七坂の散策は最短距離でジグザグに歩いても、トータルでは約3kmになります。周囲には見応えのある社寺がたくさんありますし、歴史上で著名な人物にまつわる碑や墓なども多いです。歴史と文化にあふれた道なので、ついつい道草で立ち寄ってしまいます。時間に余裕ある時に歩くことをおすすめします。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 天王寺七坂 |
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所在地 | 大阪府大阪市天王寺区生玉町~逢阪1丁目 |
問い合わせ先 | - | 天王寺七坂 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/天王寺七坂 |
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