播州清水寺
ばんしゅうきよみずでら □兵庫県加東市
山上に繰り広げられる、幽玄と寂寥の世界。
西国三十三所の第25番に数えられるこのお寺は、あまりにも有名な京都の清水寺と同じ寺号であることから、一般的には播州清水寺と呼ばれています。六甲山地のはるか北側、標高約500mという御嶽山の山頂付近に境内が広がります。
播州清水寺へ車で向かう、つまり御嶽山を登る一本道のスタート地点で、入山料を払います。そして急坂と急カーブ。しかしこの道沿いには桜やモミジがたくさん植えられていて、見頃にはとても美しい参道となります。600本の桜と、500本のモミジがあるそうで、それぞれの名所と言われるほどの本数で通る者を楽しませてくれます。
麓から約3kmほど走って、ようやく寺の駐車場に到着。そこには朱色が眩しい立派な山門が鎮座します。
標高約500mという御嶽山の山頂付近に境内が広がる。写真は大正時代に焼失後再建された「根本中堂」。
境内図にあるように山全体が寺になっている。
「開運の鐘」と呼ばれている鐘楼。
鐘楼の中に入って鐘を撞くことができる。
かなり古そうな境内の石段。
一種の結界のように、何かに守られているような気配。
その山門を一歩くぐると、さっきまでいたのとは別の世界に入ってきたような、妙に不思議な感覚がありました。播州清水寺の境内は、一種の結界のように、何かに守られているような気になるのです。それは静かだからか、あるいは精霊が宿っていそうな森のせいか、とにかく無性に感じた安心感でした。
しばらく森に囲まれた道を歩けば、やがていくつかのお堂がまとまっている場所にたどり着きます。小さな池を挟んで薬師堂、大講堂があります。さらにその奥にはいくつかの堂宇があり、こんな山中にもかかわらず意外に広がりを感じる境内。池の横にある石段を登るとまたひとつ、根本中堂と呼ばれる建物があります。
台風で全壊してしまった仁王門は、昭和55年に再建された。
大講堂の奥にある「本坊」へ続く門。
放生池越しに見える「大講堂」。
「大講堂」も大正時代に焼失後再建された。
多宝塔跡の手前にある石の仏塔。
播州清水寺の寺号の由来、おかげの井戸。
さらに少し歩けば、崩れた基壇が歴史を物語る多宝塔跡。他にもいくつかお堂跡があり、播州清水寺の境内には幽玄と寂寥が同居した雰囲気があります。
根本中堂から木立の細道を少し歩くと、森の中にぽつんとあるのが、おかげの井戸。屋根のついた小さな祠があり、ここには播州清水寺の寺号の由来ともなった清水が湧き出しています。といっても水量豊かなわけではなく、地下水がじわじわと浸み出してきたくらいの、ちょっと地味な感じ。でもどこか神聖な雰囲気があり、ありがたく感じられる場所でした。
少し離れた森の中にぽつんとあるのが「おかげの井戸」。水面に顔を映すと寿命が3年延びると言われている。
今は礎石だけが残る「多宝塔跡」。
多宝塔は高さ36.4mもある巨大なものだった。
森の中にある「月見亭」の円窓。
薬師堂には藪内佐斗司氏による「十二神将」が安置されている。
山道沿いは、桜と紅葉の隠れた名所。
播州清水寺の堂宇はそのほとんどが大正時代以降の再建。でもそうは見えない古びた表情もあり、そこには寺伝で創建1800年を超えるとされる歴史の記憶が染み込んでいるのかもしれません。
帰り道、山門をくぐる時に、また不思議な感覚になりました。元の世界に戻ってきたような。今度は下りとなる道を車で進みながら、次は秋の紅葉を見に来てみたいと、生まれたばかりのようにまだ青々とした若いモミジを見ながら思いました。
境内はもちろん御嶽山を登る車道にも豊かな森や木々が生い茂り、道沿いには600本の桜と500本のモミジがあるのだそう。
古びた石垣とモミジが映える。
整えられた木々も美しい。
寺務所などが入っている「本坊」。
西国三十三所第25番札所の御朱印。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 播州清水寺 |
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所在地 | 兵庫県加東市平木1194 |
問い合わせ先 | 0795-45-0025 | 播州清水寺 |
休業日 | 無休 |
料金 | 一般:500円、高校生:300円、中学生以下:無料 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://kiyomizudera.net/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/播州清水寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022844-d4895495-Reviews-Kiyomizudera_Temple-Kato_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
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