東光寺
とうこうじ □兵庫県三木市
静けさの海に浮かぶ、古びた堂宇の美しさ。
趣味のゴルフで六甲山の北側、三木市をよく走るのですが、吉川ICの近くを通る時、道標によく見るこの寺院が気になっていました。ゴルフ場帰りに少し時間があった時に、脇道に逸れて訪ねてみました。
東光寺と言えば、兵庫県では一般的には門戸厄神と呼ばれる西宮市の東光寺の方が有名ですが、こちら三木市の東光寺も、落ち着いて厳かな雰囲気が魅力的なお寺です。
アクセスは少し大変。高速から降り、田舎的な幹線道路を走り、さらに小さな集落へ入る生活道路のその先になります。エッと思う細い道もあって、ナビがなければ迷ってしまいそうな場所にあります。
西陽が差し込む静かな境内。寺伝によると創建は8世紀前半という古刹。
東光寺への参道入口。
本堂は室町時代前期建立で国の重要文化財。
境内を満たす静けさが、建物の隅々まで染み込む。
わりと大きな駐車場がありますが、陽も傾きかけた時間でもあるからか、停まっている車は自分の車だけ。境内にも誰一人おらず、少しだけ黄味がかってきた太陽が照らす境内はとても静かな雰囲気です。
その静けさの中に佇むのは、かなり古びた表情を見せる堂宇。この落ち着いた境内の根源となっているような。まるで静けさの海にお堂が浮かんでいるみたいな風情です。
本堂は国の重要文化財に指定されている貴重な建物で、室町時代に建てられたのだそうです。横に大きく広がった瓦屋根が特徴的。ちょうど西日が正面から当たるような配置で、古びた柱も濡れ縁の床板もその細部までが照らされ、よく見えます。そこに刻まれた長い年月が、手に取るように感じられます。そして境内を満たす静けさは、この木目のひとつひとつから滲み出しているのだと。
静寂に包まれた境内。秋には紅葉の名所として知られ、この日はアオモミジが夕空にシルエットを浮かび上がらせていた。
西陽に洗われる本堂の年輪。
本堂の古色と森の緑が協奏していた。
1517年に建てられたという、郷愁を誘う多宝塔。
本堂の右脇には幅の狭い階段があり、少し登った境内の一番高いところに、多宝塔がありました。こちらもかなりの年月を経た建造物で、1517年に建てられたものだそうで、高さは13mあるそうです。周囲ギリギリまで樹木が生い茂り、ほとんどが陰の中に佇んでいた多宝塔ですが、木漏れ日が照らされた部分は褪せた朱色であり、その少し切なく主張する姿はとても郷愁を誘います。いや、それが美しいのです。
多宝塔をしばらく眺めていて、階段を降りたら、ほんの短時間なのに境内は沈む太陽のせいで影が広がっています。
もうすぐ秋がやってくるのです。東光寺は紅葉が美しいことでも有名です。またその時期に訪ねてみたいと思いながら、来た時よりもっと静かになったように感じる境内を後にしました。
境内の一番高いところに建つ多宝塔。1517年の建立で高さは13m、国の重要文化財に指定されている。
日の光が当たると多宝塔の朱塗りが目立った。
境内の植物も古刹に負けじと花を咲かせる。
全てを知っているような石仏。
あっという間に日が暮れて行った。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 東光寺 |
---|---|
所在地 | 兵庫県三木市吉川町福吉261 |
問い合わせ先 | 0794-72-0180 | 東光寺 |
休業日 | 無休 |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/東光寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022827-d8483295-Reviews-Tokoji_Temple-Miki_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 201808 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。