松尾寺
まつのおでら □京都府舞鶴市
昔から、何も変わらないという意志。
静かな山の上の、静かなお寺。真夏の日差しさえ優しく感じるのは、境内を満たす安寧の雰囲気ゆえ。松尾寺には、松尾寺にしか醸し出せない唯一の世界観が満ちているようです。それはここを訪れた誰をも、安心させるようなものです。身を置けば一瞬にして心が落ち着き、水の滴りや若葉のざわめきが体にすーっと入ってくるよう。麓の炎天下が嘘のような世界に思えました。
西国三十三所の第29番札所、松尾寺。山号でもある青葉山は、京都府と福井県の境にある標高693mの山。その山中にひっそりと佇むお寺です。創建は708年と伝わります。
京都府と福井県の境にある標高693mの青葉山の山中にひっそりと佇む、創建は708年と伝わる古刹。
江戸時代に再建された「仁王門」。
静かな時間を刻み込んだ、風格のある仁王門。
宝形造と呼ばれる、個性的な本堂。
国道178号線から逸れて松尾寺へ向かう一本道は、ちょっと不安になるくらい狭い道です。車で向かいましたが、途中で道がなくなってしまうのではないかと不安になるくらい。でもちゃんとたどり着きます。標高は240mくらいのところにあります。特段の眺望は開けず、どちらかといえば緑に包まれた境内。
すぐにあるのは、300年ほど前に建てられたという古びた仁王門です。静かな時間を刻み込んだ、とても風格のある山門です。門を抜け、振り返った時の美しさも際立つ、印象的な出で立ち。そこから石段を上がれば、本堂を中心とした伽藍があります。
本堂もまた、築300年ほどの趣のある建築。特に屋根の形状が特徴的で、二重屋根を持つ宝形造と呼ばれる個性的なものです。
江戸時代初期再建の本堂。屋根の形状がとても特徴的で、二重屋根を持つ宝形造という様式。
1802年に建てられた「経蔵」。
本堂の壁面にある立派な龍の木彫。
珍しい本尊、馬頭観世音菩薩坐像。
そして本堂の手前には、馬の像があります。これは松尾寺の本尊が、馬頭観世音菩薩坐像であることに因むもの。あまり聞きなれない観音像ですが、農耕の守り仏として、また牛馬畜産や交通の守り仏として大切に親しまれてきました。秘仏とされていて、その姿を見ることはできません。また本堂から渡り廊下でつながっているのは大師堂。こちらも鄙びた有り様が美しいお堂です。
大きな伽藍を持つ寺院が多い西国三十三所の中では、非常に小さな部類に入る松尾寺。でもその風格と個性、そして何より昔から何も変わらないという意志のようなものは、やはり三十三所に相応しい素晴らしさを備えているお寺でした。
「青葉山」と書かれた仁王門の扁額にも、松尾寺の長い歴史が刻み込まれている。
本堂と大師堂をつなぐ渡り廊下。
美しい曲線美が特徴。
本堂の東側にある「大師堂」。
西国三十三所第29番札所の御朱印。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 松尾寺 |
---|---|
所在地 | 京都府舞鶴市松尾532 |
問い合わせ先 | 0773-62-2900 | 松尾寺 |
休業日 | 無休 |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | http://www.matsunoodera.com/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/松尾寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1023391-d4269123-Reviews-Matsunoodera_Temple-Maizuru_Kyoto_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 201908 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。