松尾寺
まつのおでら □京都府舞鶴市







<昔から、何も変わらないという意志。>
京都府舞鶴市にある「松尾寺」は、西国三十三所観音霊場の一つ。本堂に安置されている重要文化財の十一面観音立像は必見です。新緑や紅葉のシーズンは特に美しく、多くの参拝者が訪れます。本記事では、松尾寺の魅力やアクセス、実際に訪ねて分かったオススメ情報などを詳しく紹介します。
所要時間:30〜45分(参拝・見学)
昔から、何も変わらないという意志。
静かな山の上の、静かなお寺。真夏の日差しさえ優しく感じるのは、境内を満たす安寧の雰囲気ゆえ。松尾寺には、松尾寺にしか醸し出せない唯一の世界観が満ちているようです。それはここを訪れた誰をも、安心させるようなものです。身を置けば一瞬にして心が落ち着き、水の滴りや若葉のざわめきが体にすーっと入ってくるよう。麓の炎天下が嘘のような世界に思えました。
西国三十三所の第29番札所、松尾寺。山号でもある青葉山は、京都府と福井県の境にある標高693mの山。その山中にひっそりと佇むお寺です。創建は708年と伝わります。

京都府と福井県の境にある標高693mの青葉山の山中にひっそりと佇む、創建は708年と伝わる古刹。


江戸時代に再建された「仁王門」。


静かな時間を刻み込んだ、風格のある仁王門。
宝形造と呼ばれる、個性的な本堂。
国道178号線から逸れて松尾寺へ向かう一本道は、ちょっと不安になるくらい狭い道です。車で向かいましたが、途中で道がなくなってしまうのではないかと不安になるくらい。でもちゃんとたどり着きます。標高は240mくらいのところにあります。特段の眺望は開けず、どちらかといえば緑に包まれた境内。
すぐにあるのは、300年ほど前に建てられたという古びた仁王門です。静かな時間を刻み込んだ、とても風格のある山門です。門を抜け、振り返った時の美しさも際立つ、印象的な出で立ち。そこから石段を上がれば、本堂を中心とした伽藍があります。
本堂もまた、築300年ほどの趣のある建築。特に屋根の形状が特徴的で、二重屋根を持つ宝形造と呼ばれる個性的なものです。

江戸時代初期再建の本堂。屋根の形状がとても特徴的で、二重屋根を持つ宝形造という様式。


1802年に建てられた「経蔵」。


本堂の壁面にある立派な龍の木彫。
珍しい本尊、馬頭観世音菩薩坐像。
そして本堂の手前には、馬の像があります。これは松尾寺の本尊が、馬頭観世音菩薩坐像であることに因むもの。あまり聞きなれない観音像ですが、農耕の守り仏として、また牛馬畜産や交通の守り仏として大切に親しまれてきました。秘仏とされていて、その姿を見ることはできません。また本堂から渡り廊下でつながっているのは大師堂。こちらも鄙びた有り様が美しいお堂です。
大きな伽藍を持つ寺院が多い西国三十三所の中では、非常に小さな部類に入る松尾寺。でもその風格と個性、そして何より昔から何も変わらないという意志のようなものは、やはり三十三所に相応しい素晴らしさを備えているお寺でした。

「青葉山」と書かれた仁王門の扁額にも、松尾寺の長い歴史が刻み込まれている。


本堂と大師堂をつなぐ渡り廊下。


美しい曲線美が特徴。


本堂の東側にある「大師堂」。


西国三十三所第29番札所の御朱印。
photo.
アクセスマップ
■電車+徒歩
- JR舞鶴線「東舞鶴駅」下車、タクシーで約20分。
- またはJR小浜線「松尾寺駅」下車、国道27号を経て「松尾寺口」から徒歩約30〜40分の山道ルート。
■車でのアクセス
- 舞鶴若狭道「舞鶴東IC」より国道27号→府道564号を通り約15分。
- 山道は細く急坂のため、対向車に注意。駐車場(乗用車数十台・バス可/500円)は山中にあり、徒歩5分程度。
詳細情報
名称 | 松尾寺 |
---|---|
所在地 | 京都府舞鶴市松尾532 |
問い合わせ先 | 0773-62-2900 | 松尾寺 |
休業日 | 無休 |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | http://www.matsunoodera.com/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/松尾寺 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1023391-d4269123-Reviews-Matsunoodera_Temple-Maizuru_Kyoto_Prefecture_Kinki.html |
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