岡本梅林公園
おかもとばいりんこうえん □兵庫県神戸市
高台からの眺望も素晴らしい、春を告げる公園。
「梅は岡本、桜は吉野、みかん紀の国、栗丹波。」そんな唄があったほど、神戸市東灘区の岡本周辺は梅の名所として有名でした。吉野の桜、和歌山のみかん、丹波の栗、それらはおそらく関西の人間なら誰もがすくにイメージできるでしょうけど、岡本の梅、と言われてもピンと来ない方も多いと思います。でもかつては梅と言えば岡本だったし、実際にそれはそれは壮観な風景だったそうです。
阪神間モダニズムが花開いた明治以降、岡本の広大な梅林はすでに観光名所で、当時開通した鉄道によってより多くの人々が観梅に訪れたそうです。しかし昭和になって、岡本梅林に次々と悲劇が訪れます。1938年の大水害による山崩れ、戦時の空襲による焼失、またその後の住宅地開発によって、壮大な梅林は見る影もなくなったそうです。
阪神間で人気の高級住宅街にある公園。かつては吉野山の桜に比肩して、「梅は岡本」と言われた名所だった。
傾斜地にある住宅街の一番高いところにある。
梅だけでなく緑も芽吹き出す季節。
この場所では、ふたつの季節が重なり合う。
しかしかつての名声をしのぶ市民が中心となって梅林の復興が叫ばれ、1982年に岡本梅林公園が作られました。こぢんまりとした公園ですが2011年には一部拡張され、現在では約40種、200本近くのバラエティ豊かな梅が咲き誇ります。
2月中旬、近くの知人からちらほら咲きの報を受け、岡本梅林公園を訪ねました。淡く揺れる日だまりが、もうすぐ訪れる啓蟄を予感させる晩冬の午後。つい昨日までは、ドライアイスで作ったような冷たい空気に身を震わす毎日だったのに、この小春日和にちょっとでも咲き始めた梅を見るとずいぶんと景色も違って見えます。腰かけたベンチはまだ冷たいけれど、確かにこの場所ではふたつの季節が重なり合い、やがてさりげなく季節が変わっていく兆しが感じられます。
2月中旬頃には、約40種200本近くの梅が咲き誇る。
枝垂れ梅も大きな花を咲かせていた。
春がもうすぐそこまで来ているのを感じる。
紅梅、白梅、枝垂れ梅。菅原道真公ゆかりの飛び梅。
見回すと周囲にはたくさんの種類の梅があります。紅梅、白梅、枝垂れ梅。菅原道真公ゆかりの飛び梅は太宰府から贈られたものだそう。もうすぐ催される梅まつりに向けて、それぞれの木が準備を始めています。
そんな岡本梅林公園で春を待ち惚けしながら、見下ろせば眼下に広がるのは神戸や大阪の街並み。そう、ここは六甲山麓の高台。遠くには靄のかかる海が見えます。なんだか海の水もこわばって固そうな風には感じられなくて、いよいよ春がやってくるかと最後に淡い青空を見上げました。
標高は70mほどで、梅の花越しに神戸の街並みを見下ろす立地。
花から花へ、メジロが蜜を探している。
風に揺れる枝垂れ梅も奥ゆかしい。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 岡本梅林公園 |
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所在地 | 兵庫県神戸市東灘区岡本6 |
問い合わせ先 | 078-841-4131 | 東灘区まちづくり課 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | なし |
公式サイト | https://www.kobe-park.or.jp/kouen_keikaku/2018/11/05/%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E5%85%AC%E5%9C%92%EF%BC%88%E5%B2%A1%E6%9C%AC%E6%A2%85%E6%9E%97%EF%BC%89/ |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/岡本梅林公園 |
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