近江八幡の町並み
おうみはちまんのまちなみ □滋賀県近江八幡市
情緒豊かな町は、近江商人発祥の地。
駅を降りると静かなロータリーがあり、駅前だけならごく普通の地方都市といった感じのする近江八幡。ここから目指す町並みまでは、まだしばらく歩かなければなりません。もちろんバスも出ているんですが、今回は駅前から琵琶湖へ伸びる並木道を歩いて向かいました。
駅前からほどなくして、景色はのどかな田園風景となります。真夏の太陽に呼応するように力強く育った稲穂が、日差しを緑色にしてはね返しています。ゆるく吹く風は余計に暑く感じさせ、背中に汗をにじませながら歩くとまた民家が多くなり、やがて独特の町並みが見えてきます。
八幡堀を中心とした町並みは、近江商人発祥の地として独特の景観で彩られている。
国の重文に指定されている「旧西川家住宅」。
和の町並みにさりげなく洋館が混じる。
見残しの松により、緑を適度に取り込んだ町並み。
安土桃山時代に豊臣秀次によって八幡山城が築城され、麓に建設された城下町がその始まり。近江国は東海道と中山道と北国街道が交差する交通の要衝であることから商業が発達しましたが、ここ近江八幡はいわゆる近江商人発祥の地と言われ、最も早い時期から繁栄した町でした。
そして近江八幡には、今も往時を偲ばせる町並みが残っています。商家の邸宅が立ち並ぶ一角、格子や出格子、虫籠窓が特徴の切妻造の建物。道に面する庭には「見越しの松」と言われる松を配するのも特徴で、緑を適度に取り込んだ町並みは散策にも疲れを感じさせません。新町や永原町が特に色濃く雰囲気があり有名です。
商家の邸宅が建ち並び、「見越しの松」と言われる松を配するのも特徴。緑を適度に取り込んだ町並みが印象的。
明治10年築、元は学校だった「白雲館」。
「日牟禮八幡宮」の鳥居。
堀沿いに並ぶ土蔵群は、往時の栄華を物語る。
また運河として利用された八幡堀も見どころ。通常は城の防御のための堀も、運河として利用できるようにしたのも近江八幡の特色でした。堀沿いに並ぶ土蔵群は往時の栄華を物語ります。幅約15m、全長約6kmの堀に沿って随所に遊歩道が整備され、春は桜、初夏は菖蒲などの季節の花々をも楽しめます。
洋風建築が多いのも特徴で、日本の伝統的な家並みとの対比も面白いものです。ほとんどはヴォーリズが建築したもの。彼は明治時代に活躍した日本の洋風建築の開拓者です。晩年を過ごした邸宅跡を公開しているヴォーリズ記念館をはじめ、白雲館や旧YMCA会館や旧八幡郵便局といった建物が、江戸時代とはまたひと味違う歴史を語っています。
近江八幡の町並みを象徴するのが「八幡堀」。城の堀を運河として利用したのも、近江商人の知恵だった。
船から楽しむ「八幡堀めぐり」が名物。
堀沿いには白壁の土蔵が並ぶ。
八幡堀に架かる橋を見上げて散策路を歩く。
静かな水面に浮かぶ八幡堀めぐりの船。
歩く速度も、自然とゆっくりになる。
町には歴史を紡ぐ静かな時間が流れていて、一日かけて散策してみるとそれがよく実感できます。なんだかとても居心地のよい町なのです。そのゆったりとした時間の感覚に浸っていると、腕時計の秒針がひどく速いように思えます。歩く速度も自然とゆっくりになり、その分見えるものや感じることも増えてきます。近江八幡はそんな風にして訪れる人をリラックスさせてくれる町でした。
堀に沿って石畳の遊歩道が設けられていて、水面に映る石垣や土蔵を見ながら散策が楽しめる。
「日牟禮八幡宮」の楼門(随神門)。
「日牟禮八幡宮」の拝殿。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 近江八幡の町並み |
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所在地 | 滋賀県近江八幡市 |
問い合わせ先 | 0748-32-6181 | 近江八幡市観光案内白雲館観光案内所 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | |
公式サイト | https://www.omi8.com/ |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/八幡_(近江八幡市) |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1023564-d4086525-Reviews-Omishonin_Street-Omihachiman_Shiga_Prefecture_Kinki.html |
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