新世界
しんせかい □大阪府大阪市
まさに異文化体験、多種多様な人間模様が渦描く独特の世界。
その呼ばれ方だけでも、何やら怪しげな匂いがしてきそうなものです。実際に新世界は、想像をはるかに超えてディープな文化的異空間。見たいもの、見たくないもの、見てはいけないもの、全部がごちゃ混ぜに掻き回され混沌のままに完成した、人間臭さをテーマにしたリアルな遊園地のような街です。そして深海を泳ぐ巨大なウミヘビのように、常にゆっくりと動めいているような不思議な重さを持つ街です。
見たいもの、見たくないもの、見てはいけないもの、全部がごちゃ混ぜに掻き回された街。
街が変わっても、人情は変わらず生き続けた。
新世界の歴史が始まったのは明治36年。諸外国の展示館も多数あった第5回内国勧業博覧会がこの地で開かれ、その跡地が再開発されました。東半分は天王寺公園となり、西半分には通天閣や遊園地が作られ、界隈にも映画館や飲食店が集まり巨大な歓楽街に成長します。戦後は一大映画ブームに支えられ、昭和30年には新世界は絶頂期を迎えます。そこには多種多様な人間模様が展開され、その後も街の勢いは盛衰しますが、街が変わっても人情は変わらず生き続け、重ねた時代と人間の何もかもを巻き込んだ独特の世界を作ってきました。
この新世界のことは、何度訪れたところでその本質なんて知れそうにはありません。この場所に何十年も住んでみて、初めてこの街について何かを語れるようになるんじゃないかと思うくらい、イメージを超えた領域に強固なアイデンティティを持ち、外部の人間には到底理解できない存在意義みたいなのを、ずっしりと抱えている街に見えます。
photo_by_BanzaiHiroaki_CC_BY_2.0_from_flickr.com
街が変わっても人情は変わらず生き続け、独特の空気感が出来上がった。
賑やかな街に見え隠れする、強烈に渦巻いた人間臭さ。
もちろん大阪のシンボル・通天閣があり、串カツの有名店が軒を連ねるジャンジャン横丁、どて焼き、立ち飲み、手書きの映画看板、芝居小屋、スマートボール…。他のどの街にもない独特の雰囲気は楽しいもので、活気にあふれた街はまぎれもない大阪の名物。角を曲がれば始まる異文化体験、訪れるたびに感じるカルチャーショックが心地良い街に間違いありません。
そんな華やかな街で表裏一体となって見え隠れする、強烈に渦巻いた人間臭さ。そのシンクロが、この街のこの空気を作り上げているような気がします。割れたカップ酒の瓶や、くしゃくしゃになった競馬新聞や、泥々になった毛布が、街の影に転がっています。そのごちゃごちゃした泥臭さの上でこそ成立している街、新世界。ガイドブックに載っている楽しいスポットもいいけれど、行けばきっと感じられる本当の新世界。目を背けたくなる人もひょっとしたらいるかもしれないけれど、実はそれが一番魅力的で、今もたくさんの人が訪れる理由なのかなと思います。
華やかな街で表裏一体となって見え隠れするものは、強烈に渦巻いた人間臭さ。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 新世界 |
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所在地 | 大阪府大阪市浪速区恵美須東 |
問い合わせ先 | 06-6643-6322 | 新世界商店会連合協議会 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 周辺有料駐車場 |
公式サイト | http://shinsekai.net/ |
wikipedia | http://ja.wikipedia.org/wiki/新世界_(大阪) |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298566-d1407290-Reviews-Shinsekai-Osaka_Osaka_Prefecture_Kinki.html |
LAST VISIT | 202003 |
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