甚風呂
じんぶろ □和歌山県有田郡湯浅町
昔ながらの銭湯のに広がる、時空の別世界。
湯浅の伝統的な町並みのど真ん中、細く入り組んだ路地同士が交わる小さな小さな交差点の角に、もとは銭湯だった建物をそのまま利用した歴史資料館「甚風呂」があります。男湯女湯の浴場をはじめ昔ながらの銭湯そのものを見られるのも興味深いですし、江戸から昭和までの日用品を中心とした幅広い展示物も魅力があります。入場無料というのも嬉しいところ。湯浅の町並み散策をするなら、必ず訪れておきたいスポットです。
小路の辻にある、星形の小窓。
小路が交わる辻というロケーションもさることながら、甚風呂はまず外観がとても個性的です。本瓦葺の風格あふれる佇まいで、通りに面した塀には十字の星形の小窓が並び印象的です。町中に同化するような一般的な銭湯とは違って、威風堂々たる姿が際立っています。
幕末から昭和末期まで営業していた銭湯で、正式名は「戎湯」だったそうです。しかし店主の名前を取って昔から「甚風呂」と呼ばれ、市民に親しまれていたそう。そんな人々の愛着があったからこそ、今もこうして風情のままに残されたのかもしれません。
在りし日の状態が、そのままに。
さて暖簾をくぐってみると、そこは超定番の銭湯のままです。絵に描いたような銭湯的空間。入口すぐに番台があり、左側が男湯、右側が女湯。脱衣場の仕切り壁は撤去されています。レトロなマッサージ機が置いてあったり、使い込まれた番台なんかは趣きたっぷり。
見学は順路が設定されていて、まずは男湯から順番に見ていきます。風呂場も在りし日の状態がそのままにされていて、アナログなカランや浴槽のタイル、金物の風呂桶など、近年のレトロブームでも一級品のものではないでしょうか。
空間全体が、祭りのように華やいで。
男湯を抜けると、銭湯の裏方の建物へとつながっています。まずそこにあるのは、祭りの展示です。湯浅の氏神である顕国神社の秋祭り。各町内から神輿を出して行われる盛大な祭りで、その神輿や法被、道具などが展示されています。祭りの昔の写真展示もあり、馬の早駆けも行われていたようです。小さな部屋いっぱいに展示物があり、空間全体が祭りのように華やいでいます。
見ごたえのある、レトロな世界。
それ以降は甚風呂の主屋をメインに、古道具や日用品の展示が続きます。この銭湯が駆け抜けた時代、江戸、明治、大正、昭和。それぞれの時代で人々が使ってきた品々が大量に並んでいます。中にはこの地域独特のものもあり、大変興味深く見学できます。全く見たこともない物もありますし、私が幼少期に使ったような懐かしい物もあります。だからどんな年代の方が見ても、懐かしいと感じられる物があるのだと思います。100年以上昔のものという大きな振り子時計から、小さな古銭や切符まて。昔のレジやアイロン、ブラウン管のテレビや黒電話。見ごたえのあるレトロ世界が展開されます。
別世界に来たような、とても不思議な体験。
最後は女湯に戻ってきます。その直前には、浴槽の湯を濾過する循環器や燃料タンクが当時のまま残されています。また防火のためでしょうか、赤煉瓦が積み上げられ、くたびれた配管なども風情があります。
そのように甚風呂の中を一周してきたら、なんだかタイムスリップで時代を遡ってしまった感覚に。なにか別世界に来たような、とても不思議な体験でした。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 甚風呂 |
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所在地 | 和歌山県有田郡湯浅町湯浅428 |
問い合わせ先 | 0737-20-2033 | 甚風呂 |
休業日 | 水曜日(水曜日が休日の場合はその翌日)・年末年始(12/29~1/3) |
料金 | 無料 |
駐車場 | - |
公式サイト | http://www.denken-yuasa.sakura.ne.jp/jinburo/ |
wikipedia | ー |
食べログ | ー |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1121342-d7339434-Reviews-Jinburo-Yuasa_cho_Arida_gun_Wakayama_Prefecture_Kinki.html |
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