湯浅の町並み
ゆあさのまちなみ □和歌山県有田郡湯浅町
醤油で栄えた、歴史風情の町。
湯浅は和歌山市街地から南へ直線距離で20kmほど。紀伊水道の海に突き出した山間部、その隙間にある海に面した平地に発展した古い町です。禅僧・覚心が湯浅に持ち帰った中国の径山寺味噌の技法から、この地で日本の醤油が発祥したと言われる町です。特に江戸時代には飛躍的な発展を遂げ、海運にも恵まれた湯浅の醤油は最高級品として親しまれました。町には豪商の邸宅が無数に建ち並び、醤油の醸造蔵とともに独特の町並みを形成しました。今でもその町並みが残っていて、それは多くの人々を惹きつける景観となっています。
貴重な景観を、後世に伝える。
国道42号線に面した湯浅の氏神・顕国神社を目印に海の方へ約1kmほど進んだあたりが、特に風情ある町並みが残る地区です。国から「湯浅町湯浅伝統的建造物群保存地区」として登録され、貴重な景観を後世に伝える取り組みも活発に。もとあった文化遺産がより魅力的に発信される機会も増え、今では多くの観光客が訪ねるようになりました。
町の北側に観光用の無料駐車場があったので、そこに車を停めて散策を始めます。
江戸時代の町割が、そのまま残る。
北町、中町、鍛冶町のあたりが特に風情があります。そしてかなり特徴的だなと感じたのは、比較的広めの通りがあり、それらを結ぶ入り組んだ路地がとんでもなく狭いことです。まず車は入れないですし、人がすれ違うのも難しいくらい狭い路地ばかりなのです。江戸時代の町割がそのまま残っているそうで、現代では考えられない町づくりは面白いものです。まるで迷路のように楽しく、湯浅の町を歩いていると独特な感覚が生まれてきます。
白壁の蔵を利用した、醤油資料館。
醤油の醸造で栄えた湯浅ですが、実は現在もこの場所で醤油を造り続けているのは1軒、北町にある「角長」のみ。幕末から明治にかけての建物群が、国の重要文化財に指定されている湯浅で現存する最古の醤油蔵です。今も昔ながらの製法で職人が丹念に湯浅醤油を造り続けています。白壁の蔵を利用した醤油資料館が無料で見学できたりしますので、ぜひ訪ねておきたいおすすめスポットです。
他にもかつて銭湯だった建物を利用した歴史資料館「甚風呂」、江戸時代の町家をリノベーションしたカフェ「北町茶屋いっぷく」などは人気です。
素朴なまま、時代が止まっている。
それにしても湯浅の町は趣に溢れています。本瓦葺の立派な家並み、焼き杉板の風合い、白壁土蔵のくすみ、昔から変わらぬ看板、錆びついた蝶番。通りの隅々まで歴史風情が染み込み、この町の伝統と文化の香りに満ちています。そして変に観光地化されておらず、素朴なまま時代が止まっているかのような雰囲気が、湯浅の町の特徴です。本物の、昔ながらの町並みが残っているのです。
訪ねた季節は秋。湯浅の町を取り囲む山々で採れたみかんが、あちこちの店先で売られています。それがまた、旅の気分を盛り立ててくれる光景でした。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 湯浅の町並み |
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所在地 | 和歌山県有田郡湯浅町湯浅 |
問い合わせ先 | 0737-63-2525 | 湯浅町役場ふるさと振興課 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://www.yuasa-kankokyokai.com/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/湯浅 |
食べログ | ー |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1121342-d2573559-Reviews-Yuasa_Important_Traditional_Building_Preservation_Area-Yuasa_cho_Arida_gun_Wakay.html |
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