喜光寺
きこうじ □奈良県奈良市
奈良の奥深さを知る、試みの大仏殿。
ずっと前から気になっていたお寺。阪奈道路を走っている時に見えるのは、奈良生まれの私には言われなくてもピンとくるミニ大仏殿。ほんとに大仏殿をそのまま縮小したようにそっくりで、その理由も知りたくて仕方がなかった喜光寺というお寺です。てっきり大仏殿を真似て造ったのかと思っていましたが、実はそうではなく、底知れぬ奥深さを持っていました。奈良の実力をあらためて感じたお寺でもあったのです。
ずいぶん前から気になっていたし、生まれ故郷だからいつでも行けるのに、いざ喜光寺を訪ねてみたのは開門前の早朝でした。だから今回は、外からしか見ることができていません。
大仏殿に先立ち、雛形として建立された。
喜光寺を建立したのは、奈良時代の名僧行基です。時は西暦721年、もう1300年以上も昔のこと。行基といえば奈良の大仏を造った総監督。喜光寺の創建は東大寺より古く、本堂は大仏殿に先立って雛形として建立されたと言われ、「試みの大仏殿」とも呼ばれます。大仏殿を真似て建てたのではなく、試作だったとは驚きです。しかし室町時代に焼失しており、現在の本堂は1544年に再建されたもの。しかしそれでも500年近く前のものであり、国の重要文化財として非常に稀有な建築です。
清冽な朝日に、洗われるように。
喜光寺でもうひとつ目立つ建物が、幹線道路に面して聳える南大門です。鮮やかな朱塗りが印象的な山門で、焼失後長らく存在しなかったものが2010年に再建されたものです。この日は東から昇る朝日に照らされ、深い陰翳を醸し出していました。
先にも述べたように、早朝のため開門前。でもラッキーなことにすぐ近くに歩道橋があるため、その上から喜光寺の境内がよく見えました。境内はとても美しく保たれていて、整然としています。さらに清冽な朝日に洗われるように、澄んだ秋空に包まれています。最も美しい喜光寺の姿を見たような気がしました。
行基と藤原道真、2人に所縁のある地。
ちなみに喜光寺の所在地は奈良市菅原町という地区。敷地のすぐ隣には菅原天満宮があり、そこは菅原道真の生誕地と言われています。当然喜光寺も菅原道真とは縁が深く、当初は菅原寺と称したそうです。
さらに行基が没した地もまた、この喜光寺。菅原家一族と行基という日本史上の重要人物2人に由縁があるという、実はとても奥が深いお寺なのです。
また蓮の名所としてもよく知られ、約250鉢の蓮が境内を華やかに彩る初夏がおすすめの季節です。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 喜光寺 |
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所在地 | 奈良県奈良市菅原町508 |
問い合わせ先 | 0742-45-4630 | 喜光寺 |
休業日 | - |
料金 | 大人:大人:500円 小・中学生300円 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://kikouji.com/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/喜光寺 |
食べログ | ー |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298198-d1385982-Reviews-Kikoji_Temple-Nara_Nara_Prefecture_Kinki.html |
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