びっくり亭本家・鉄板焼肉

これぞ博多B級グルメ、個性的な鉄板焼肉。

最近になってメディアでも取り上げられる機会を目にするようになったのが、福岡の地元民から愛されるメニュー、鉄板焼肉。その名称が一般的なのかどうかはさておき、その発祥の店として知られるのが、南福岡駅近くにある「びっくり亭」です。昭和38年に創業した老舗で、現在では県内に数店舗展開。今回は都心部の赤坂にあるお店を訪ねました。

店内に充満する、香ばしい煙。

食券を買って席に座りますが、店内は香ばしい鉄板焼肉の香りが充満しています。比較的早く提供されますが、驚くのが湯気。熱々の鉄板から濛々と立ち上り、あたり一帯を煙たくするくらい。と同時に美味そうな匂いが一気に広がり、食欲をそそります。
そもそも鉄板焼肉とは、福岡のソウルフードとも呼ばれる庶民派B級グルメ。豚肉とキャベツをニンニクだれで炒めた、シンプルな料理です。豚肉はサガリと呼ばれる部位（横隔膜）で、しっかりとした弾力と歯応えのある肉です。

噛めば噛むほど、滲み出す旨味。

あまりにも湯気がすごく、沸騰して飛び散る油もちょっと心配なので、少しの間テーブルの奥に離して待機。視界が晴れてきたら、いよいよいただきます。豚肉は噛めば噛むほど旨味が出てきます。またキャベツの焼き加減は絶妙で、表面は柔らかいもののシャキシャキ感は程よく残してあります。そして豚肉とキャベツに染み込んでいる、絶品の特製ニンニクだれ。かなりパンチの効いた味付けで、一緒に注文したご飯との相性が抜群。豚肉は量が多いし、キャベツもたっぷりで食べ応えもあります。鉄板に触れている面ではキャベツにお焦げができ、それがまた美味。相性で言えば、ビールもまた格別だと思います。

特製の辛味噌で、風味は一段とUP。

さらにびっくり亭で特徴的なのが、辛味噌です。各テーブルに置いてあり、これを鉄板焼肉に適量を乗せていただきます。ある程度食べ進むと鉄板に溜まっている油に溶かし込み、味変として楽しみます。これがまた絶品で、油に溶けた辛味噌はコクと辛味の強いラー油のようになり、そこに豚肉とキャベツを浸していただくのです。
さらにびっくり亭には「下駄」と呼ばれている木の棒が卓上にあり、これを鉄板の片方の下に敷いて使います。すると傾いた鉄板に油が偏り、辛味噌の油溜まりが出来るのです。昔に常連客が始めたそうですが、今ではびっくり亭の名物のひとつです。

思っているより、ボリュームがある。

鉄板焼肉専門店ということで、メニューは「焼肉」一本。ボリュームによって1枚、1.5枚、2枚...と分かれています。男性の方向けと書いてある1.5枚で注文しましたが、それほど小食でもない私でも満腹に。15時くらいだったのですが、このあと博多ラーメンを食べようと思っていたので、やや食べ過ぎてしまいました。服にも焼肉とニンニクの匂いがたっぷり付いてしまったので、リフレッシュと運動を兼ねて近くの舞鶴公園を散歩することにしました。

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