城東むかし町家(旧梶村家住宅)
きゅうかじむらけじゅうたく □岡山県津山市
肌で感じる、商家のノスタルジー。
城東町並み保存地区を歩いていた時に見つけた、門の向こうに見えた庭園とガラスが多用された2階建ての和風建築。石が積み上げられ、そこに生い茂る変化に富んだ庭木。その向こうに見える、時代を感じる建物。その景観は衝撃的なほど風情があって、一目惚れのような感覚でした。入口に回ってみると、なんと無料で見学できる施設とのこと。それが今回ご紹介する「城東むかし町家」、正式には「旧梶村家住宅」です。
吸い込まれるようにして見学した旧梶村家住宅は、はたして想像以上に見ごたえのある建物でした。
江戸時代から活躍した、豪商の屋敷。
旧梶村家住宅は、津山で江戸時代から活躍した豪商の屋敷。周囲の町家と比べてみても明らかに広い敷地を有していて、約300坪もあるそうです。今から300年以上前に建てられた屋敷はその後増改築を繰り返し、今では江戸・明治・大正・昭和それぞれの時代の建築に触れることができます。
街道に面した主屋は江戸時代の建築で、入ってすぐ右手には人力車が展示してあります。さらに昔の家財道具などとともに、1997年のNHK朝ドラ「あぐり」の撮影風景の写真も。この家がロケ地として使われたそうです。
ノスタルジックな空気漂う、ガラス張りの座敷。
左手は小上がりになっていて、その奥には畳の和室があります。さらに廊下でつながる、2階建ての建物へ。そこは畳の敷かれた大きな部屋で、一部襖で区切られていますが、30畳ほどもあろうかという座敷です。縁側にはガラス戸が並び、独特の雰囲気。均一ではない手作りだという古いガラスの外には主屋や庭園や土蔵が見え、風流な景観です。時が止まったような静けさで、そう、まさに建てられた時代から時が止まっているかのようです。この同じ感覚の中で、梶村家を訪ねた客人は同じように感嘆していたのでしょうか。この建物は大正時代に建てられたものだそうです。
様々な時代の建物が、一堂に集まる。
敷地の一番奥には蔵があり、中に入れるようになっています。入口すぐには棟方志功の版画が2点掛けられていて、この屋敷に相応しい風格をもたらしています。蔵の中では梶村家の歴史などが展示されていて、興味深いものがあります。
近くには昔からそのままの井戸があったり、小さな洋館まであります。まさに様々な時代が一堂に集められた、歴史図鑑のような屋敷です。
商家の暮らしぶりを、直に感じられる。
また庭園も特に美しいです。築山は石を積み重ねて表現されていて、(水は張っていませんでしたが)小さな池があり、様々な種類の庭木で作庭されています。角には昭和初期に建てられた茶室が、風流を重ねています。真夏の暑い日でしたが、不思議と風が通り涼しい中庭です。こんな庭で月夜の下の晩酌なんかできたらなと、叶いもしない想像をしてみたり。
旧梶村家住宅では実に9棟もの建物が国の登録有形文化財に指定されている、本物の文化財です。その時代の商家の暮らしぶりを直に感じられる、貴重な体験。城東町並保存地区を訪れた際は必ず行きたい、おすすめのスポットです。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 城東むかし町家(旧梶村家住宅) |
---|---|
所在地 | 岡山県津山市東新町40 |
問い合わせ先 | 0868-22-5791 | 城東むかし町家 |
休業日 | 火曜日(祝日の時は翌日)、12/29~1/3 |
料金 | 無料 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/城東むかし町家 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1023447-d1384405-Reviews-Joto_District_Historic_Merchant_Township-Tsuyama_Okayama_Prefecture_Chugoku.html |
LAST VISIT | 202308 |
※掲載のデータは当ページ更新時点でのものです。以後の変更や詳細な情報につきましては、ご自身でお問い合わせの上ご確認いただきますよう、あらかじめご了承ください。