三枝・ホルモンうどん
みえ・ほるもんうどん □岡山県津山市
津山名物は、最強の個性派焼きうどん。
全国津々浦々にご当地B級グルメが割拠し始めて久しいです。ほんとに素晴らしいことだと思いますが、旅の楽しみ方も変わりましたし、何よりその土地ならではの食材や成り立ち、そして美味しさに触れる体験は他に代えがたいものがあります。
岡山県の山間部の町、津山のそれは「ホルモンうどん」です。ご当地グルメブームの初期の頃から知られていて、2011年のB-1グランプリで第2位を獲得して一躍全国区になりました。「津山ホルモンうどん研究会」という団体が普及活動に努めていて、今では公認店だけでも市内の20店舗以上で食べることができます。
新鮮で良質なホルモン、そして加工技術。
ホルモンうどんは焼きうどんです。新鮮なホルモンと野菜が具のメインで、鉄板で炒め、濃いめのタレでうどんと絡めて仕上げるというもの。シンプルな料理です。使うホルモンや野菜の種類、また自家製のタレなど、お店ごとの特色もあって楽しめます。また基本的にはお好み焼きのように鉄板で調理するスタイルなので、その様子を見たり香りを嗅いだりするのも津山ホルモンうどんならではの楽しみ方です。
津山をはじめとする美作エリアは古くから畜産業が盛んで、また早くから食肉処理の技術も発達したようで、とにかく新鮮で良質なホルモンが豊富なことがベースにあるみたいです。
昔ながらの、町角の鉄板焼き屋。
今回はホルモンうどんで有名な三枝というお店を訪問しました。町外れの住宅街に埋もれるように所在する、昔ながらの町角の鉄板焼き屋です。向かいに大きな駐車場があり、開店30分前に到着したのですが、すでに何人かが並んでいました。少し車内で待とうか悩んでいたら、まだ開店20分ほど前なのに暖簾が掛けられました。ラッキーなことにすぐに入店。本来の開店時間になると店内は満席で、すでに外には行列ができていて、かなりの人気店のようです。
鉄板での調理を、五感で楽しむ。
2つの鉄板があるL型のカウンター席と、2つのテーブル席。鉄板前のカウンター席に座り、ホルモンうどんが焼かれていくのを眺めます。これが見ていて大変楽しいもの。名物店主が、手際良く調理。立ち昇る湯気とともに、いかにも美味しそうな香りが店内に充満します。たまに油が跳ねて飛んできたりして、熱いですが臨場感たっぷり。
鉄板に油を引き、ホルモンを投入。すると早速ホルモンから脂が溶け出し、ホルモンうどんの旨味のベースが出来上がります。次に大量の玉ねぎと、青ネギ。具材は以上で、超シンプルです。自家製タレをかけてその上にうどんを。少し蒸し焼きされる感じです。最後にうどんにもタレをかけたら、全体を混ぜて焼けば完成です。
ホルモンを美味しく食べるための、ホルモンうどん。
焼いてるところを見ていると、もう美味しいイメージしかありません。そして実際にその期待を裏切らない、三枝のホルモンうどん。まずホルモンが絶品です。小腸、大腸、センマイ、ミノ、ハツ、ハチノスの6種類で、どれも全く臭みのない新鮮そのもの。噛めば噛むほど滲み出る旨味、コリコリ食感は歯応えが違います。プリプリの小腸から溢れ出す肉汁は深い深いコクがあります。そしてホルモンの量もたっぷり。食肉処理センターから黒毛和牛のホルモンを直接仕入れているそうで、まさにホルモンを美味しく食べるためのホルモンうどんなのです。
絶妙な加減で味を仕上げる、自家製のタレ。
秘伝のタレはホルモン、うどんともに相性抜群。甘辛がベースですが味噌味をほのかに感じ、とてもコクがあるタレです。濃いめで個性のあるタレですが、それでいてホルモンの邪魔はしないという、絶妙な加減で調節されています。2玉が通常サイズですが、その美味しさで一気に食べてしまいました。
また今回は定番のタレ味でいただきましたが、三枝では塩ダレのホルモンうどんも提供しています。これは津山でも珍しく、三枝ならではの名物メニューとしても人気です。今回満席の約半分は、塩ホルモンうどんを注文していたくらいに感じました。
地元の方にも、大変愛されている名店。
三枝では他にも魅力的なメニューがたくさんあります。お好み焼きはもちろん、ホルモンだけを焼いたビールにはもってこいの料理。さらに「そずり」や「干し肉」など、津山ならではの郷土料理も味わえます。秘伝のタレも売っています。メニューは全てテイクアウトも可能。
実は食べている間も持ち帰り用のホルモンうどんが次々と焼かれていて、地元で馴染みの方が何組か取りに来られていました。すると店員さんと岡山弁なのか津山弁なのか、千鳥のような独特のイントネーション。ホルモンうどん普及の先頭に立つ三枝の店主との会話なんかを聞いていると、地元でも大変愛されているお店だということがひしひしと伝わってきました。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 三枝・ホルモンうどん |
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所在地 | 岡山県津山市上河原441-5 |
問い合わせ先 | 0868-23-3972 | 三枝 |
休業日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)。第1火曜日 |
料金 | |
駐車場 | |
公式サイト | http://www.horumonudon.jp/ |
wikipedia | - |
食べログ | https://tabelog.com/okayama/A3304/A330401/33003885/ |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g1023447-d6166350-Reviews-Okonomiyaki_Mie-Tsuyama_Okayama_Prefecture_Chugoku.html |
LAST VISIT | 202308 |
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