今城塚古墳・いましろ大王の杜
いましろづかこふん・いましろだいおうのもり □大阪府高槻市
国内唯一、触れられる天皇陵。
大阪と京都の中間にあり、人口は35万人を超える中核都市・高槻市。駅前にはタワーマンションが林立し、最近では街の中心部にもかかわらず広大な敷地に最新の施設やサービスを取り入れた安満遺跡公園がオープンし、目覚ましい発展を続けています。
そんな高槻中心部からほど近い住宅街の中に、今城塚古墳があります。見事な前方後円墳で、地図で見ると整った鍵穴のような形が目を引きます。古墳周辺は公園として整備されていて、週末には家族連れで賑わいを見せています。
北摂では最大、第26代継体天皇の陵墓。
今城塚古墳は墳丘の長さ約190m、内濠と外濠を合わせると全長約350m、全幅約340mにもなる規模の大きな古墳です。古墳時代後期の6世紀前半に造られ、第26代継体天皇の陵墓だと考えられています。平安時代までは国により維持されていたようですが、戦国時代には砦(そのことから今城塚という名称になったのだそう)として使われ、江戸時代には地震により崩壊するなど、数奇な運命を辿った古墳でもあります。その間には盗掘もあったり、石室や石棺の石は他の工事に転用されたりしたといいます。
市民の憩いの場として、変貌を遂げた。
なかなかに波瀾万丈の過去を辿ってきた今城塚古墳ですが、現在は他のどんな古墳よりも美しく整備され、また市民の日常と密接に関わりを持つ姿に変貌を遂げています。広大な芝生広場や一周約1kmのコースがあり、週末には家族連れのピクニック、あるいはランニングやウォーキングを楽しむ人たちでいっぱいになります。緑豊かな墳丘をはじめ、公園内は木立に囲まれていて、木陰のベンチで午後をのんびり過ごす光景も平和そのものです。
約200基の埴輪が並ぶ、埴輪祭祀場。
また今城塚古墳では、10年に及ぶ発掘調査では大量の埴輪が見つかりました。どうやら太古の昔ここで祭りが催されていたようで、盛大な場を飾った埴輪群が発見されたのです。埴輪祭祀場と呼ばれるエリアからは高さ約1.7mで日本最大の家形埴輪や、武者や巫女、馬や鳥などの埴輪が大量に出土したそうです。現在の今城塚古墳にはそのレプリカが展示されていて、その数約200基。なかなか他にはない演出で、まさに今城塚古墳ならでは。実際に触れたりすることも可能で、馬に乗っかる子供たちの歓声がこだまします。
古墳に隣接する、今城塚古代歴史館。
今城塚古墳、学術的にはほぼ継体天皇の墓とされているものの、宮内庁はそれを認めていません。普通は宮内庁管轄の古墳は指一本触れることさえ出来ませんが、今城塚古墳は立ち入ることのできる天皇陵として、実は国内でも唯一の古墳なのです。実際に森に覆われた墳丘にさえ立ち入ることができるのです。実はとても貴重な場所なのです。
また古墳に隣接する今城塚古代歴史館も見ごたえがあります。まさにここで出土した埴輪や装飾品がずらりと展示されています。さらに大型のジオラマ模型や分かりやすい映像もあり、古代の文化を肌で感じられるミュージアムです。
古墳時代の文化と、現代の憩い。
というわけで、どっぷりと古墳時代の文化と現代の憩いを味わえる魅力いっぱいの場所。今城塚古墳と公園、古代歴史館を合わせて「いましろ大王の杜」として、特に週末は賑わいを見せています。甲子園球場2個分もあるので、何度来ても都度楽しみ方が見つかります。私も新緑が美しい森の木陰、小さなベンチに座ってしばらく過ごしていました。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 今城塚古墳・いましろ大王の杜 |
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所在地 | 大阪府高槻市郡家新町48-8 |
問い合わせ先 | 072-682-0820 | 今城塚古代歴史館 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://www.takatsuki-kankou.org/imashiro-daio/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/今城塚古墳 |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1023508-d10338771-Reviews-Imashirozuka_Ancient_Tomb-Takatsuki_Osaka_Prefecture_Kinki.html |
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