伊居太神社
いけだじんじゃ □大阪府池田市
国内唯一の特徴を持つ、三社造の本殿。
五月山の麓にある古社、伊居太神社。池田市と同じく、伊居太は「いけだ」と読みます。その歴史は相当古く、西暦389年と伝わります。当時中国の呉に機織の技術を学び、日本に持ち帰った呉織・穴織・兄媛・弟媛の4人の縫工女のうち、穴織を祀ったことに端を発する神社。ちなみに呉織を祀ったのが同じ池田市にある呉服神社です。そのことは奈良時代の歴史書である日本書紀に記述されていて、折り紙付きの古社なのです。全国的に有名な神社でなくても想像以上の歴史を持つ神社が各地にあることは、寺社巡りにおいても奥深い楽しみのひとつです。
その存在感は、確かなもの。
伊居太神社の境内は、ちょうど五月山の斜面が始まる場所にあります。だから市街地から向かうと、平地の街並みの中に突然現れる急な石段から始まります。参道は上り続けて、その先に門があります。大門と呼ばれるその門は、横に長い建物になっています。瓦葺の立派なもので、さらに千鳥破風が施されています。その存在感は確かなもので、この先が神の領域であることを十分に示している建物です。
森を背景に象徴的な、三つの千木。
大門を抜けると、前後左右を鬱蒼とした森に囲まれた空間になっています。まさに特別な神の世界であることを実感するような空間です。正面に拝殿があり、その向こうに本殿があります。伊居太神社の本殿は日本国内で唯一の、千鳥唐破風寄棟造りの三社造です。三つ並ぶ千木が、森を背景に象徴的に映えています。16世紀に織田信長によって焼き払われたのち、1604年に豊臣秀頼によって再建されたもの。すでに築400年以上の年月を経ている建築物です。しかし文化財としては何ひとつ登録されていないようで、少し不思議に感じられます。
まるで時間が、止まっているかのように。
境内には他に幾つかの摂社があり、また源頼光お手植えの頼光松があります。今は切り株しか残っていませんが、祠を作って大切に守られています。またすぐそばには神木である巨大なクスノキが鎮座しています。
境内は全体として古式蒼然とした感じがあり、賑わいを見せる五月山公園とは真逆に、ほとんど人がおらず、ひっそりとしています。まるで時間が止まっているかのように。拝殿横の狛犬さえ、ある時から自分の仕事を止めてしまったかのように静かに佇んでいました。そしてその雰囲気こそが、伊居太神社の一番の魅力なのだと思います。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 伊居太神社 |
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所在地 | 大阪府池田市綾羽2丁目4-5 |
問い合わせ先 | 072-751-4652 | 伊居太神社 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | http://www.ikeda-jinjya.jp/ |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/伊居太神社_(池田市) |
食べログ | - |
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