櫛田神社

くしだじんじゃ　□福岡県福岡市

活気みなぎる、博多の総氏神。

初めて櫛田神社を訪ねた時、まず驚いたのはその賑わいでした。神社全体に活気がみなぎっているというか、パワフルというか。ちょうど七五三の時期ということもあり、家族連れが多かったこともあるかもしれません。しかしだからこそ家族みんなで神様に頼り、お願いと日々の感謝を捧げる姿は、古くから日本人が大切にしている生き方そのもののように感じられて感銘を受けました。まるで絵巻のように賑わう境内に一歩入った時から、タイムスリップしたような感覚で櫛田神社を拝観します。

12支が彫り込まれた、干支恵方盤。

鳥居をくぐるとすぐに楼門があります。「稜威」と大きく書かれた扁額のある、立派な楼門です。本殿側の軒下を見上げてみると、12支が色彩豊かに彫り込まれた円型の飾り物があります。干支恵方盤と言われるもので、その年の恵方を示す矢印を、毎年大晦日に回転させて次の年の恵方を示すそうです。これにいきなり魅了されます。その先には拝殿と本殿を囲むもうひとつの楼門があり、その先はもう参拝のための長蛇の列になっています。拝殿の中では大勢の方々が列になって座り、宮司による祈祷を受けています。とくに何かの例祭があるわけではないですが、櫛田神社ではいつもこんなに人出があるのでしょうか。いずれにせよその活気みなぎる境内にいると、知らずのうちに自分にも元気が湧いてきます。

本殿の周囲には、18もの境内社。

本殿の周囲には、とてもたくさんの境内社があります。拝殿から右へ抜けたところに案内板があり、数えてみるとなんと18社。そこから左回りに本殿裏を回りながらお目当ての摂社にお詣りしてゆきます。他にも随所に見どころがあり、本殿地下から湧き出ていて不老長寿の水とされる「霊泉鶴の井戸」や、石や瓦を多く取り込んだ博多特有の土塀である「博多べい」などは見ごたえがあります。あとは境内の入口付近にある「櫛田のぎなん」と呼ばれる銀杏の大木。樹齢1000年ともいわれ、長寿延命のシンボルとされる御神木です。

本殿の横に展示される、壮大な飾り山笠。

しかし櫛田神社を有名にしている最大の要素が、博多を代表する祭りと深い関わりがあることです。櫛田神社の例大祭として毎年7月、博多の夏の風物詩として全国的にも有名な「博多祇園山笠」。800年近い歴史があるという祭りで、巨大な飾り山笠が街を練り歩きます。「おっしょい」という掛け声が日本の音風景100選にも選ばれるほど、文化的にも非常に価値ある祭りと言えます。櫛田入りと呼ばれる、飾り山笠が櫛田神社境内を通り抜ける場面が、博多祇園山笠のクライマックス。掛け声も最高潮に達し、境内が震えるように盛り上がるといいます。
境内には山笠のひとつが、本殿の横に奉納されて公開されています。これが相当な大きさで、高さ5mはゆうに超えていそう。派手に飾られた見た目も美しく、櫛田神社参拝のハイライトのひとつです。

博多っ子には、切っても切れない縁がある神社。

そしてもうひとつの例大祭が「博多おくんち」です。長崎くんち、唐津くんちと並ぶ日本三大くんちのひとつに数えられ、毎年10月下旬に開催されます。牛車で練り歩く博多おくんちの神輿行列は壮観。ちなみに櫛田神社の神輿は本殿裏に展示されています。
また毎年200万人が訪れるという福岡を代表する5月の「博多どんたく」。これは櫛田神社の祭りではないですが、主役である賑やかな博多松囃子の一行は櫛田神社に集合してスタートします。
というわけで、博多っ子には切っても切れない縁があるのが櫛田神社なのです。まさに博多の気質の根底にある神社なのかもしれません。

長い歴史を刻む、心の拠りどころ。

櫛田神社は757年にこの地に造られたと言われます。伊勢の松阪にある櫛田神社を勧請したのが始まり。天照皇大神（大神宮）、大幡主大神（櫛田宮）、須佐之男命（祇園宮）が主祭神であり、博多の総氏神として長い歴史を刻んでいます。地元の人々からは「お櫛田さん」と愛称で呼ばれていて、まさに博多っ子の心の拠りどころ。これからも福岡市随一の神社として、いつまでも深く崇敬を集めていくことでしょう。

photo.

アクセスマップ

詳細情報

名称	櫛田神社
所在地	福岡県福岡市博多区上川端町1-41
問い合わせ先	092-291-2951 ｜櫛田神社
休業日	-
料金	-
駐車場	無料駐車場
公式サイト	-
wikipedia	https://ja.wikipedia.org/wiki/櫛田神社_(福岡市)
食べログ	-
トリップアドバイザー	https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g14127501-d320702-Reviews-Kushida_Shrine-Hakata_Fukuoka_Fukuoka_Prefecture_Kyushu.html
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