名代ラーメン亭・博多ラーメン

博多ラーメンの伝統を、守り続けて。

福岡に着いたら博多ラーメンを食べたいなと思った時に、博多駅に到着してから最も早く食べられる、しかも昔から博多ラーメンを代表するような人気店が名代ラーメン亭です。JR博多駅から直結の博多駅地下街に店を構えています。創業50年以上を数える老舗で、昔ながらの王道博多ラーメンがいただける店として地元の方々から観光客まで絶大な支持を集める名店です。
行列することもありますが、回転が非常に早いため時間的にはそれほど並びません。今回も昼時だったので5人ほど並んでいましたが、体感では3分ほどで店内に入れた感じです。店内は豚骨の香ばしい香りが充満していて、いきなり食欲がそそられます。Ｌ字のカウンター席と、あとはテーブル席が空間を埋め尽くすほどギュウギュウに並んでいます。そしてほとんどのテーブルが相席。その屋台感というか昭和感というか、内装の加減もあって古臭い感じがとても刺激的です。

大切にされている味を、直球で。

今回はチャーシューメンと半チャーハンのセットを注文します。するとチャーハンはものの数十秒で運ばれてきて、続いてラーメンは2分ほどで運ばれてきました。この手際の良さが、回転の良さの理由です。名代ラーメン亭は、「安くて早くて、たくさんの人に食べてもらう」ことがモットーなのだそうです。
また「シンプルで飽きのこない味」もこの店の信念です。気取らない、飾らない、カッコつけない昔から大切にされている味を、ストレートに再現することが名代ラーメン亭のこだわりです。

豚骨のコクと香りが、じわじわと顔を出す。

まずはスープから。これが名代ラーメンの人気の理由のひとつだと確信したのですが、スープが絶品です。運ばれてきた瞬間からフッと豚骨の香りが漂っているのですが、変な臭みではなくきっちり獣感があるというか、素朴な感じのする匂いです。でも飲んでみると意外にすっきりとしていて、脂っぽさもなくサラサラとしています。まろやかな甘みの後から、豚骨のコクと香りがじわじわと顔を出します。このバランスが見事。クセのないシンプルなスープですが、豚骨本来の旨味をたっぷり楽しめます。
麺はストレートの細麺で、スープによく絡みます。麺の硬さについては何もオーダーしなかったのでお店としては普通なのでしょうが、基本的に硬めで茹でられていると思います。その後周りからはバリカタという言葉が飛び交っていましたから、ちょっと試してみたかった気がします。

本場で味わう、昔ながらの博多ラーメン。

具には、よく煮込まれてトロトロのチャーシューとしっかり味の煮玉子、海苔。テーブル上には紅生姜と高菜が自由に取れるように置いてあります。これぞ博多ラーメンの王道といった感じ。全国的に展開する有名な博多ラーメン店もありますが、名代ラーメン亭でいただけるのは本場で味わえる昔ながらの博多ラーメンなのです。
そしてリーズナブル。チャーシューメンで600円、ノーマルなラーメンは500円です。朝はモーニングサービスがあり、さらに安くてチャーシューメンが500円と激安。朝からラーメンというのもあまりイメージ出来ませんが、これも含めて博多ラーメン文化なのかもしれません。

人気グルメ漫画、「クッキングパパ」にも登場。

もうひとつ名代ラーメン亭で有名なのは、あの人気グルメ漫画「クッキングパパ」に登場したこと。店にはその時のページがパネルで飾られていて興味深いです。またアニメ映画にもなった小説「君の膵臓をたべたい」にも登場するということで、まさに博多を代表する名店と言えそうです。

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