最明寺滝
さいみょうじたき □兵庫県宝塚市
奇岩を流れ落ちる、神秘的な滝。
最明寺滝は決して有名な滝ではありません。ガイドブックに出てくることもない、人知れず流れる滝です。しかし本当にたまたま最明寺滝の写真を見た時、これは訪ねておかなければならないと直感的に思いましたし、実際に行ってみるとその期待をはるかに超えていく魅力がある滝でした。
最明寺滝へのアクセスは宝塚側からと川西側からの2通りあり、今回は満願寺を拝観したあとに川西側から向かいました。
ここから先は、特別な神の領域。
満願寺から幹線道路を外れて脇道へ。小さな沢が続く小径を歩けばしばらくして未舗装の道になります。住宅も見えなくなり、すれ違う人同士あいさつをするような山道に変わっていきます。そのうち結構起伏が出てきて、最後は岩山の斜面をジグザグの階段で降りる場所もあり、立派なハイキングのような感じです。結局、小さな山を一つ越えた感じのところで、宝塚方面からアクセスする道と合流します。そこには大聖不動尊と書かれたの石門と小さな橋があって、この先が特別な神の領域であることを示しています。
しめ縄が懸かる巨岩と、沢の音が聞こえる道。
そして南北から合流した道は一本道になって最明寺滝へと向かいます。右手には滝から流れてきた沢があり、左手に迫る岩壁伝いに進みます。やがて少し開けた場所に出ます。そこには巨大な岩が道沿いにあり、しめ縄がかけられています。そこから少し進むと、いよいよ最明寺滝があります。
滝壺周辺は足元も整備されていて歩きやすくなっています。地元の方々何度も来られているのでしょうか、ベンチやテントも置かれています。滝壺で行き止まりとなっていて、一番奥には岩の隙間に祠があります。そのすぐ横に、最明寺滝が流れ落ちています。
滝壺は独特の景観で、神聖な雰囲気。
最明寺滝は流麗な滝です。高さは約10mほどですが、岩壁をカーテンのようになぞりながら流れ落ちます。末広がりで、バランスのよい三角形をしています。また、見上げるとそこは自然が作り出した迫力ある岩の奇観であることに驚きます。あたり一帯の岩山を、流れる水が削り出した造形。三方を岩壁に囲まれているのですが、それは巨大な岩が滝によって繰り抜かれた感じで、その不思議な空間の中に包まれるようにして自分がいます。他に誰もいないこの空間にはちょうど南からの太陽が差し込み、みるみるうちにこの大きな滝壺に太陽の粒子が溜まっていくかのようです。不思議な世界観があります。壮観であり、厳か。独特の空気がここには漂っています。そんな神聖な空間を、今は独り占めしています。ほのかに線香の匂いがする空気をいっぱいに深呼吸して、最明寺滝をしばらく眺めていました。
信仰の滝として、800年を刻む。
鎌倉時代に北条時頼が出家した時、この滝のあたりに草案を結んだと伝えられています。その際に自らを最明寺入道と号して、それが今まで残って滝の名前になっているのです。以来ずっと、この滝は信仰の滝であったに違いなく、数えること800年近くになります。今もこの場所で、ひっそりと最明寺入道の祈りが続いているような気がしました。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 最明寺滝 |
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所在地 | 兵庫県宝塚市切畑字長尾山 |
問い合わせ先 | 0797-77-2012 | 宝塚市観光企画課 |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | - |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/最明寺滝 |
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LAST VISIT | 202211 |
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