満願寺
まんがんじ □兵庫県川西市






清廉なる境内に、美しい堂宇が並ぶ。
満願寺の金堂へ続く下り坂の参道を歩いていたら、目の前に小さなどんぐりが落ちてきました。石畳に当たって小気味いい音を立てると、コロコロと前に転がり出します。先を行くどんぐりを追いかけるように、紅葉が彩る道を歩きます。秋晴れに秋晴れを重ねたような晴天で、11月だというのに汗ばむほどに暖かい日。それを喜ぶかのように、大音量とも言うべきボリュームで野鳥の囀りが境内に響いています。そんな豊かな自然を慈しむ、満願寺はとても美しいお寺です。

満願寺の創建は古く、奈良時代の8世紀前半。新西国三十三所の第13番札所にも選定されている。


木立に包まれる石畳の参道。


美しく整えられた満願寺の境内。


秋空に映える「観音堂」の鯱。


「満願寺」と浮き彫りにされた瓦。
参道沿いのモミジが、秋の深まりを告げる。
創建は古く、奈良時代の8世紀前半。当時、聖武天皇の勅願で各地に満願寺が建立されたうち、摂津国の満願寺としてこの地に創建されました。その後は源氏一門や後醍醐天皇の祈願所となり、戦国時代までは非常に栄えたといいます。その後やや衰退したとされますが、今もその格式高い雰囲気は境内に色濃く感じられます。また新西国三十三所の第13番札所に選定されていて御朱印集めに訪れる人も多いお寺です。
阪急の雲雀丘花屋敷駅から北へ、山麓に広がる住宅街を抜けた高台に満願寺はあります。標高は150mくらいで、訪れた11月、麓ではまだ始まったばかりの紅葉が満願寺ではある程度進んでいました。特に参道沿いのモミジが秀逸。寺の雰囲気を引き立てる色づきをしています。

標高は150mくらいで、麓ではまだ始まったばかりの紅葉が満願寺では鮮やかに色づいていた。特に参道沿いのモミジは秀逸。


秋晴れに輝くように紅葉していた。


深い赤色でまさに紅葉の見頃だった。


紅葉の中に堂宇が建ち並ぶ。


1293年建立の「九重石塔」は国の重要文化財。
特異な形が印象深い、仁王門。
山門である仁王門は、独特の形状です。左右2体の仁王像は、それぞれ独立した屋根瓦の建物に祀られています。その2棟をつなぐような門構えとなっていて、記憶の中には見たことがない山門の形です。山門の向こうは長い参道があり、右手に本坊があります。これはかつて円覚院と呼ばれていた子院。最盛期は49もの子院があった大寺だったそうですが、その中で唯一今に残っている子院です。
そこから石段を上がった正面に金堂があります。1653年に再建されたもので本尊の阿弥陀如来像が安置されています。金堂に向かって右側に毘沙門堂、左側には国の重要文化財で1293年に建立されたという九重石塔があります。

1881年に再建された「仁王門」は、独特の意匠。中国風に見えるが、明治初期に洋風を取り入れた建築様式だという。


仁王門の裏側はかなりシンプル。


本尊の「開眼阿弥陀如来」を安置する「金堂」。


表情に臨場感がある「一願不動明王」。


紅葉したモミジと、弘法大師像と九重石塔。
穏やかで、悠然とした雰囲気。
全体的にとても美しく保たれており、清々しいお寺です。穏やかで悠然とした雰囲気があり、そこにいるだけで心が癒されてゆくような感覚。また境内には見事な花を咲かせる桜の庭があり、それを愛でる茶房があります。また「金太郎」こと坂田金時の墓もあり、さまざまな逸話も持つお寺です。
そこまで参拝者でごったがえすこともなく、常に落ち着いた静けさがある満願寺。堂宇などの文化財の美しさも、季節ごとの美しさも楽しめる名刹です。

穏やかで悠然とした雰囲気があり、そこにいるだけで心が癒されてゆくような境内。自然を慈しむ、満願寺はとても美しいお寺。


金堂の右側に佇む「毘沙門堂」。


境内には「稲荷社」と「八幡宮」も鎮座する。


源賢・幸寿丸・藤原仲光が眠る「三廟」。


参道の途中にある「本坊」。
photo.
アクセスマップ
詳細情報
名称 | 満願寺 |
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所在地 | 兵庫県川西市満願寺町7-1 |
問い合わせ先 | 072-759-2452 | 満願寺 |
休業日 | - |
料金 | 入山料 一人100円 |
駐車場 | 無料駐車場 |
公式サイト | https://www.manganji.jp |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/満願寺_(川西市) |
食べログ | - |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g1022829-d1384569-Reviews-Manganji_Temple-Kawanishi_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
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