旧神戸居留地十五番館
きゅうこうべきょりゅうちじゅうごばんかん □兵庫県神戸市
奇跡の復活を遂げた、旧居留地の名建築。
1868年の神戸開港とともに設置された神戸居留地。25.8haにも及ぶ外国人専用の街で、今の神戸の街のイメージを創り上げた最初のきっかけでした。現在も旧居留地と呼ばれて計画的な街区割りや街路樹、洋館など街のいたるところに当時の面影を残しています。そんな独特な街の中でも一際注目を浴びる存在が、旧神戸居留地十五番館です。街のほぼ中心部の街角に、時が止まったかのように佇んでいます。周囲をビルに囲まれた中で唯一2階建てというのも、より一層その存在が印象的なものになっています。
1881年に、アメリカ合衆国領事館として誕生。
旧神戸居留地十五番館は、なんと国の重要文化財です。1881年に当時のアメリカ合衆国領事館として建設されました。10年ほどその役割を果たした後は商館としていくつかの企業によって使い続けられ、周りの建物は建て替えが進む中、十五番館は時代を超えて大切に受け継がれてきました。1966年からは今も所有者である神戸の企業が事務所として使用し、1990年からは文化財活用を目的としてレストランが営業していました。
瓦礫の山から復興した、希望の光。
ところが1995年。阪神淡路大震災によって十五番館は全壊してしまいました。写真を見ましたが、ペシャンコに崩れ落ちてまさに瓦礫の山と化したのです。旧居留地のシンボルとも言える建物の崩壊は、神戸市民にとっては大変辛い出来事でした。しかし十五番館は見事に復活します。なんと約70%の建材を崩壊した建物から用いて、しかも当時の建築方法で、なおかつ誕生当初の姿を忠実に再現しながら1998年に再建されたのです。それは震災からの復興に大きな希望を与える、記念すべき一歩でした。震災までの間に改築が重ねられていた外観も初期の姿を取り戻しました。建物の中に取り込まれてしまっていた南側正面の左右のバルコニーも復活され、また壁面も明治時代の色で塗装されました。昔ながらの完全なコロニアル様式に再建されたのです。
レストラン店内は、歴史的建造物そのもの。
そのようにして美しく蘇った十五番館は、現在もレストラン、カフェとして活用されています。お店は「TOOTHTOOTH maison15th」、神戸っ子なら誰もが知る有名な系列店で、個人的にも納得のテナントです。入口は東側にあり、店内は歴史的建造物の見学そのもの。1階がレストランで2階はカフェになっています。この日はランチで利用。普段は予約で一杯になる人気店で、この日は平日の1番客ということもありたまたまテーブルが空いていました。高い天井に大きな窓、天井や巾木の装飾、窓枠や扉の把手などなど、全てがいい感じに旧居留地感があります。外観もさることながら、内観もよくここまで再建されたと感銘を受けます。料理も非常に美味しく、またリーズナブルな設定。1986年に神戸・トアウエストに開業し、一世を風靡して街を引っ張ってきた名店です。その理由がよく分かる十五番館のお店でした。
日本最古の近代下水道である、遺構の展示も。
旧神戸居留地十五番館の前の歩道には、日本最古の近代下水道である「旧神戸居留地煉瓦造下水道」の遺構が展示されています。明治時代初頭に作られたもので、レンガ造りの下水道管が当時のまま展示されています。赤レンガで出来た導管は初めて見ました。こんなところにも神戸居留地の当時の先進的な街づくりが感じられます。また旧神戸居留地十五番館では夜間に行われるライトアップも人気。旧居留地の代表的な景観のひとつです。
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アクセスマップ
詳細情報
名称 | 旧神戸居留地十五番館 |
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所在地 | 兵庫県神戸市中央区浪花町15 |
問い合わせ先 | 078-333-4111 | 株式会社ノザワ |
休業日 | - |
料金 | - |
駐車場 | - |
公式サイト | https://www.nozawa-kobe.co.jp/other/15ban.html |
wikipedia | https://ja.wikipedia.org/wiki/旧居留地十五番館 |
食べログ | https://tabelog.com/hyogo/A2801/A280102/28035621/ |
トリップアドバイザー | https://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g298562-d12260019-Reviews-Former_Foreign_Settlement_15bankan-Kobe_Hyogo_Prefecture_Kinki.html |
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